Blume ページ28
寂雷視点
赤い夕日がビルの隙間から覗いている。
それを見ながらふぅ、とため息を吐く。
すると、電話がかかってきた。
ツキカかな、と思いながら画面を見ると、一番見たく無い人の名前。
寂雷「…飴村くん…」
私は渋々通話ボタンを押した。
乱数「やっほ〜寂雷〜☆」
寂雷「…なんですか、飴村くん。嫌がらせですか？」
乱数「何言ってんの寂雷。僕はそんなことしないよ〜。…逆に俺はお前の声聞きたく無いんだが」
寂雷「…私もそうなんですが」
乱数「……………ってか、知らないの？寂雷」
寂雷「知らない…って…何をです？」
乱数「知らないの⁉ツキカちゃんのことなのに⁉」
何故彼はツキカのことを知ってるんだ。
そう思いながら顔をしかめた。
乱数「寂雷！ツキカは相当やばい筈だよ‼今多分ホストの家に行ってると思うけど…」
寂雷「…なんでそんなに彼女の事を知っているんです？」
乱数「…ハァ？僕を疑うわけ？…連絡取ってたんだよ」
私は理解した。
寂雷「…1度ツキカに連絡を取ってみるので…待ってくれません？」
乱数「あーはいはい、分かったよ…。あとでもう一回電話するから。色々伝えないといけないことがあるんだよ」
飴村くんが電話を切った。
…私に連絡をするほど大変なことなのか…？
そう思いながらツキカに電話しようとする。
…すると。
プルルル…
寂雷「ん？一二三くんからだ…」
この時間に連絡なんて珍しい。
仕事の準備なので忙しい筈。
…休みなのか…？
そう考えながら通話ボタンを押す。
寂雷「…一二三くん？どうしたんだい？」
一二三「せ、センセー…！」
彼はすごく焦っているようだった。
寂雷「…？」
一二三「…先生。ツキカちゃんが今家に来てるんですが…」
寂雷「うん。それは知ってるよ」
一二三「ツキカちゃんの、手に…」
寂雷「手に？」
一二三「花が、咲いていたんです」
私は目を見開いた。
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