こんなことになるんだったら組織なんか入らなきゃよかった。【安室透】

遭遇しちゃったんだけど組織怖すぎワロエナイ ページ9

結局あれから三日後……赤井は見つからないまま。毛利さんに頼んだの間違いだったかな、なんて少しため息交じりに町中を歩く。
明日辺りにでも探偵事務所に行って依頼を取り消してもらおう。そんでもってこの町からは出ていく。蘭ちゃん達には悪いけど……。


『まぁ……あの赤井が簡単に見つかるわけないか』


そう呟いて笑った時だった。






『……ん？黒い車？』


見たことのある真っ黒な車から二人、男が出てくる。その男達を見た瞬間、体が凍ったように動かなくなった。


『(じ、ジンとウォッカ！？)』


何でここにいんの！？！？ってかもうちょいコソコソしろよ！！あんたら犯罪組織だろ！！！
ただでさえ黒ずくめなんだから目立つってのに！
……って、人の心配してる場合じゃない。もし今ジン達に見つかったら殺される！！

逃げる場所を探すため見渡すが、見えたのは“ポアロ”。
……い、行きたくない……！けど死にたくもない！！どうすんの私！どうしたらいいの！？


『こ、こうなったら殺す？殺しちゃう？ナイフは一応の為持ち歩いてるし……あっ、でもキャンティやコルンいたらどうしよ……流石に弾丸切ったりできないんだけど……！？』
「こっちに来てください！」
『えっ……！？』


いきなり腕を引かれて店の中に入る。恐る恐る顔を上げると、安室さんが満面の笑顔を浮かべていた。
え、なに怖い……助けてくれたんだよね？


『あ、えっと……？』
「大丈夫ですか？」
『は、はい……ありがとうございます……？』
「あの黒ずくめの人達から逃げてるんでしょう？あの人達が去るまでここで匿いますから」
『……』


ここで「はい！分かりました！！」とか言ったらバレるくない？いや元からバレてるけど。
返事したら自分で認めることになっちゃうしでも今出て行ったら完璧に人生終わるし……。


『…………』
「？Aさん？」


ナチュラルに名前で呼ぶな馬鹿。


『……黒ずくめの人達って何のことですか？そんなことより私、今とっても安室さんの淹れたあの美味しい美味しいコーヒーが飲みたいです〜！……ダメですか？』


くらえ！必殺おねだり！！(ネーミングセンス皆無)


「っ……そ、そう言っていただいて光栄です。では今すぐ淹れますね」
『ありがとうございます！』


！？あ、あのバーボンが照れてる……！？レアすぎ……！！

とりあえず赤井に会ったら許さんと決めた瞬間→←あの怪しい女が赤井さんの恋人かもしれない件について

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