シリアスなのは分かってるけどそれより腕がすげぇ痛い ページ7
沈黙のまま私の家の前まで着く。
ああ、やっと着いた……。地獄みたいな時間だったな。
『本当ありがとうございました。また行きますね』
いつもの笑顔で車から出る。
やっと家に帰れるんだと喜んでいるとまたまた腕を掴んで呼び止められた。さっきと違うところといえば地味に痛いところかな。振りほどこうと試したけど案の定出来なかった。
この馬鹿力め……。
『あ、あの……どうしたんですk」
「今までどこにいた!?」
『っ……!?』
いきなり怒鳴られ、つい一歩下がる。……あのバーボンが珍しく怒っている。
「どれだけ俺が探したと思ってる!?調べたり聞き込みをしたり組織の人間にも聞いてッ……ずっと心配してたんだぞ!!」
『…………』
「組織から抜けるのは構わない。あの時は俺が公安だなんて知らなかっただろうから言えなかったのも分かる。だがそれにしても……!!」
『ま、待ってください!』
慌ててバーボンの言葉を遮る。ここは徹底的にとぼけよう……!
『あの、組織とか公安とか分からないんですけど……誰かと間違えてるのでは?』
「間違える?俺がお前の顔を間違えるとでも?」
『似た顔なんて沢山いますし……あの、本当に私なにも知らなくて、』
「しらばっくれるな!その顔、その声……間違えるはずがない……!!」
『あ、安室さん、』
「それとも、他人のフリをするほど俺が嫌いか……?」
違う。嫌ってるわけない。
・…………だけど…………。
「ミスティ!何とか言え!!」
『……ごめんなさい。私、本当に何も知らないんです』
「……そうですか」
顔を上げると、バーボンは“安室透”の表情をしていた。
だけどどこか苦しそうで、悲しそうで。
「すみません、怒鳴ったりなんてして。人違いだったみたいです。本当に申し訳ありません」
『い、いえ。ビックリしただけなので大丈夫です』
「お詫びに御馳走しますよ。近いうちにまたポアロに来てください」
『はい、もちろん』
じゃあ。と爽やかな笑顔で車に乗って去って行った。
誤魔化せたわけではないけど、これで諦めてくれただろう。ホッと安堵の息を吐く。
“どれだけ俺が探したと思ってる!?調べたり聞き込みをしたり組織の人間にも聞いて...ッ....ずっと心配してたんだぞ!!”
あの言葉は彼の本心じゃない。きっと組織に頼まれて探してただけ。
……分かってるはずなのに、嬉しいような、苦しいような。
『……何であんな顔すんの、馬鹿』
あの怪しい女が赤井さんの恋人かもしれない件について→←強引さは必要って言うけどこれはひどい
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みかづち(プロフ) - そう言っていただけて嬉しいです!!ジンとはお互い実力は認めてるけど毛嫌いしている感じですかね・・・肉体関係に関しては、バーボンとは付き合ってたのでなきにしもあらず(笑)という感じです! (2019年5月7日 22時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - この夢小説気に入りました。元黒の組織メンバーでジンと関係性はある設定ですか?肉体関係的な事など?映画版のストーリーを入れていた所が好きです。 (2019年5月7日 21時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - ひめさん» ありがとうございます^^更新頑張ります! (2019年1月27日 22時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
ひめ(プロフ) - すごく面白いです!続き楽しみにしてます!! (2019年1月26日 23時) (レス) id: 35f32e9416 (このIDを非表示/違反報告)
みかづち(プロフ) - るるさん» そう言っていただいてとても嬉しいです!ありがとうございます!! (2019年1月24日 18時) (レス) id: 69b5dcb367 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかづち | 作成日時:2019年1月14日 22時