ただ勝己の背中を見ているだけでいい (ページ8)

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6話ページ8

わかってたけど、いずれはこうなるって

彼女「あの、勝己くんの幼馴染の…Aさん、でしたっけ？」

「…はい」

お決まりって奴だった

この子との出会いは

先生に運ぶの頼まれて角でぶつかって、拾うのを手伝ってもらった

逆に運命だ

「拾ってくれてありがとう」

彼女「いえ！全然」

この人はいい人そうで

可愛くて

また少しだけ辛くなった

自分がどんどん性格悪い女になっていく感覚に浸る

「そろそろ行きますね、ありがとうございます」

彼女「あの、！私かのって言うんです」

「かの、さんですか」

かの「かのでいいです！お友達になりませんか？」

「はい、私はAって言います、よろしくね！ためでお互いいこ！同学年だし」

何とか明るくふるまう

そこにまたお決まりがきた

『あ、？かのとAか』

「…かつ」

かの「勝己くん！」

見るのが辛い

勝己は心なしか、いや、違う、ちゃんと優しい顔をしている

また、性格悪い

なんだか見るのが嫌で仕方ない

決めたのに、勝己の幸せ願うって

決めたはずだ

それに私は、勝己の背中を見るだけで充分ってそう思ってたはずだ

いやだ

そこで誰か優しい手が私の手首に触れた