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1.再会 ページ1

「お久し振りです,太宰さん」



探偵社のドアをノックし這入って来たその女性は,太宰の処―――

――――凄く散らかっている机の横まで行き,そう云った。


探偵社員,事務員一同,目を丸くして太宰と,太宰に話し掛けた端正な顔立ちのその女性を交互に見遣る。
女性の顔の左側には真っ白な包帯が巻かれていた。




「え……。
 君,若しかしてAかい?」


「はい。太宰さん。御無沙汰してます。
 お元気でしたか?」


「あ,まあ,うん。
 そうだね……。それなりには」


「そうですか。なら善かったです。
 私はこちらに少し用があっただけなので。
 ではこれで」


失礼します,と云い乍ら去って行こうとする彼女の背中に,声を掛ける者は誰もいない。


「おい太宰,行っても良いぞ」

乱歩が,ラムネの瓶を咥え乍ら云った。



「え? あ,ありがとうございます」


一瞬虚を突かれたような顔をした太宰が慌てて立ち上がり,先刻彼女が出て行ったドアを潜った。




彼女を見つけるのは,太宰にとって造作もない事だった。

スタスタと歩く彼女に声を掛ける。



「ねえ,A生きているのかい?」



振り返った彼女の目が,冷たく細められる。


「君,死んだって森さんから聞いたよ。
 私が組織を抜けた,一か月後に」



彼女は何か云いたそうに口を開き,また閉じる。


「頼むから云って呉れ。
 私が居なくなってから,何があったんだ」



「私は――――――」



彼女は今度こそ口を開いて,話し始める。

2.過去は……→



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SEA(プロフ) - 村人Cさん» コメントありがとうございます。全然更新してなくて本当に申し訳ないです……。頑張ります! (__) (2023年2月10日 23時) (レス) id: 40e007873e (このIDを非表示/違反報告)
村人C - 更新楽しみにしてます (2023年2月9日 22時) (レス) @page23 id: 5242a52298 (このIDを非表示/違反報告)
SEA(プロフ) - 南無いちさん» コメントありがとうございます。おかげさまでめっちゃ頑張れそうです笑 これからもよろしくお願いします! (2022年12月27日 16時) (レス) id: 40e007873e (このIDを非表示/違反報告)
南無いち(プロフ) - 切ないのに甘くて最高です!!!if編も読めるなんて感激です!!更新楽しみです!!頑張って下さい!! (2022年12月27日 16時) (レス) id: b659a75de8 (このIDを非表示/違反報告)
SEA(プロフ) - エリスさん» コメントありがとうございます。最近更新できていなくて申し訳ないです……。良いものが書けるよう頑張ります。 (2022年12月27日 12時) (レス) id: 40e007873e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:SEA | 作成日時:2022年11月26日 12時

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