231:状況説明 ページ31
ーAsideー
「東雲さん」
烏間の声にはいつもの威勢がなかった。
「1人にさせてしまい申し訳なかった」
私に頭を下げる烏間。私まさほど驚きはしなかったが、周りは、特にタコ先生なんかは
異常なほど驚いていた。
『謝らないでください。あの状況では帰るしか選択肢がありませんでしたから』
「だが…」
『ほんと大丈夫です。理事長に逆らったらせっかく渚が勝ったのも無意味になっちゃうし』
渚をちらと見やると、照れ臭そうに笑っていた。
「…何も、されなかったか」
『されてませんよ。大丈夫です』
嘘です。されました。
だけど言ったところで解決できることじゃないし、知られたら知られたでめんどくさくなりそう。
これは私と理事長さんの問題だから。
授業再開しましょう。タコ先生がそう言って、今日は何事もなく学校生活を終えるはずだった。
それなのに、私の耳に届いたのは業の震えた声。
「嘘だよね」
引きつった笑顔で聞いてくる。…なんで業がそんな顔するの？
『本当だよ。大丈夫』
「なんで嘘つくわけ？意味わかんないんだけど。そんなに俺らのこと信用できない？」
ピリつく空気。初めて業にあった時もこんな感じの空気だったかな。
『信用してないわけじゃない』
「嘘、ついてるでしょ？」
『……そんな、』
そんな目で見ないで。
「言わなくていいほどくだらない内容なら別にいいけどそうじゃない。
あの時いなかった俺でもわかる。何があったの？」
『私は…』
みんなはあの時みたいにただ心配そうに見ているだけだった。タコ先生も烏間も何も言わない。
『私はただ…誰も巻き込みたくなくて』
「やっぱり嘘ついてんじゃん」
『あの、業』
「なに」
業の言った「なに」は、聞いたこともないくらい優しい声だった。
壊れ物を優しく包み込むような優しくて繊細な声。私の心臓はその儚い声にぎゅっとなる。
『私さ。…理事長さんと喧嘩しちゃった』
「…は？」
「「ん？」」
「にゅ？」
「はっ？」
「はぁぁあ！？」
おお。みんなの声が揃った。ていうかイリーナ先生いたんだ。
理事長さんと喧嘩したって、あながち間違いじゃないよね。
「なんで？」
『珈琲出されたんだけど、その珈琲砂糖とミルクが入ってたんだよね。
それで…烏間先生が拐われた後』
「拐われ！？」
『顔掴まれて、なんか言われて、ムカついたからドア蹴破って戻ってきちゃった』
うん。
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mh - いつもクオリティの高いお話をありがとうございます！応援しています‼ (2022年2月23日 1時) (
レス) id: 6608c57345 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - ミライアルさん» ありがとうございます！更新ペース上げられるよう頑張りますね！！ (2019年4月20日 19時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
ミライアル(プロフ) - うぉー！なんか続きがめっちゃくちゃ楽しみっす！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年4月20日 13時) (レス) id: b0af308e1c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！！よかったです！倒れない程度に頑張ります！！ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - 第5弾おめでとうございます！ すごく面白かったです（＾_＾） 更新、無理しない程度に頑張ってください！ (2019年4月2日 23時) (レス) id: 4b077ed0aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年3月24日 23時
