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ーAsideー
拒否権なし…か。
『嫌だと言ったら？』
「その時は貴女が一番嫌がることをしてあげますよ。自分から命を投げ捨てたくなるくらい
嫌なことを、ね」
『お生憎様。私は自分を一番に考えるもんで、自 殺とは無縁なの』
「それはどうかな」
相変わらず殺気立った目。
私は余裕をぶっこく。顎を突き出し、恐れの表情を作らない。
「気づいているはずです。貴女はすでに私の手の中にある。椚ヶ丘に入ってしまった時点で
貴女は私から逃げられないのです」
『…』
「貴女をここに入るように促したのは芳村氏。
貴女は自分の信用していた人に、知らず知らずのうちに首を絞められていた。
まぁ、首を絞めていた本人は気づいていないと思いますが。
貴女が今まで気づいていなかったのと同じようにね」
何を言ってるんだこいつは。私は自分の意思で椚ヶ丘に入ることを決めたんだ。
確かに提案してきたのは芳村さんだったけど、最終判断は私がした。
芳村さんは何も悪くない。
『逃げてみせる』
「自信満々ですね」
『自信しかないので』
「…そうですか」
こんなところで負けるもんか。喰種がどれほど恐ろしいものかすぐに分からせてやる。
私はドアを蹴破ると理事長室から脱した。
『浅野 學峯さん』
「おや、名前をご存知だったのですね」
『…夜道はお気をつけて』
それだけ言い残し、一番近くにあった窓から飛び降りる。
私が最後に与えた言葉は忠告ではない。宣戦布告と言ったところだろうか。
私は本校舎の生徒の悲鳴を無視してしれっと旧校舎へと向かった。
ー
教室に戻るとみんなから質問責めを食らっている烏間がいた。
いち早く気づいたのはタコ先生。
「おかえりなさい。東雲さん」
その声にみんなは反応し、烏間の周りから一気に人がいなくなる。
「A！！」
「よかったー！！止められなくてごめん」
「何もされてないか？」
みんながわらわらと集まって来る。心配してくれているのは分かっていても圧迫感があって嫌だ。
『お、落ち着いて…』
「あ、ごめん」
渚が離れたのをみてみんなも少し距離を置いてくれた。
私は肩に入った力を、肺に溜まった嫌な空気とともに抜く。
『とりあえず、ただいま』
「おかえり！」
「おかえりなさい！」
笑顔のみんなをみて心が軽くなる。私こんなに人間好きになって大丈夫なのかな。
いつか痛い目見る気がする。
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mh - いつもクオリティの高いお話をありがとうございます！応援しています‼ (2022年2月23日 1時) (
レス) id: 6608c57345 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - ミライアルさん» ありがとうございます！更新ペース上げられるよう頑張りますね！！ (2019年4月20日 19時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
ミライアル(プロフ) - うぉー！なんか続きがめっちゃくちゃ楽しみっす！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年4月20日 13時) (レス) id: b0af308e1c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！！よかったです！倒れない程度に頑張ります！！ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - 第5弾おめでとうございます！ すごく面白かったです（＾_＾） 更新、無理しない程度に頑張ってください！ (2019年4月2日 23時) (レス) id: 4b077ed0aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年3月24日 23時
