204:罪の償い ページ4
ーAsideー
「では、磯貝さん！！」
「は、はい」
急に呼ばれた磯貝はきょどった返事をして立ち上がる。
律は何も言わず磯貝を見つめる。
磯貝は何かを察したようで、みんなの方に向き直った。
「反対派がいなくなったと言うことで、東雲は…このクラスに。E組に残ります。
異論はない？」
「ない！」
「あるわけないでしょ…！」
「よかったぁ〜！！」
カエデが駆け寄ってきて私のことを抱きしめた。
「また一緒に過ごせるんだね…。嬉しい」
『うん。私も』
カエデ。カエデが本当に私の味方でいてくれるなら、私もカエデの味方でいるよ。
何があっても。
ー
「ということで皆さん！！東雲さんの話し合いは無事終了しました」
タコ先生が触手を叩く。
拍手？してるのかな。
「さて、イトナ君のことに関しては後で先生が話をつけておきます。
授業に…と言いたいところですが。その状態だと授業が難しいように見えます、東雲さん」
タコ先生は珍しく心配そうに私の顔を覗き込む。
『…こんなの、すぐ治ります』
「そうは言いましてもねぇ」
血が滲んでいる包帯。塞がらない傷口。
こんなの肉を食べればすぐに塞がるのに。
「大事をとって今日は早退した方が良いのでは？」
『帰りたくないです。せっかくみんなから許可をもらったんだから』
「…では包帯の交換を」
私は腹にひっついてびしょびしょになった包帯を触った。
ブラウスに血が滲んでいる。
「出血量…大丈夫なのか？それ」
『うん。多分平気』
「多分って」
愛美は眼鏡の前に手をやり、指の隙間から私の様子を伺っていた。
『じゃあ包帯変えてきます』
「私も行く！」
『大丈夫。1人でできるから』
「でも」
『カエデ』
「…わかったよ」
カエデはため息をつくと諦めたようで席に座った。
腹を抑えながら教室を出ると廊下の少し向こうに烏間の姿が見えた。
誰かと会話しているように見える。
壁に寄りかかって目を閉じる。
「_だ。俺__じる」
「烏間がそこまで言うなんてね。意外だわ」
「そうか？」
「ま、東雲 Aがどこまで重要な人材かってことが知れたしプラマイゼロね」
「話を聞いている限り俺にはマイナスの要素が見つけられないんだが」
「冗談でしょ？」
「くだらん冗談は言わないタチでな」
「はぁ、信じられない。もういいわよ」
近づいてくる足音に、慌てて保健室へ向かった。
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mh - いつもクオリティの高いお話をありがとうございます！応援しています‼ (2022年2月23日 1時) (
レス) id: 6608c57345 (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - ミライアルさん» ありがとうございます！更新ペース上げられるよう頑張りますね！！ (2019年4月20日 19時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
ミライアル(プロフ) - うぉー！なんか続きがめっちゃくちゃ楽しみっす！更新頑張ってください！応援してます！ (2019年4月20日 13時) (レス) id: b0af308e1c (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - 名倉さん» ありがとうございます！！よかったです！倒れない程度に頑張ります！！ (2019年4月3日 1時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
名倉 - 第5弾おめでとうございます！ すごく面白かったです（＾_＾） 更新、無理しない程度に頑張ってください！ (2019年4月2日 23時) (レス) id: 4b077ed0aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eye | 作成日時：2019年3月24日 23時
