14:追跡 ページ14
ーAsideー
お客さんがいるため正面から入るのは無理そうなので、裏から入ることにした。
それよりも金木さんはアタッシュケースを持っている男に気づいているのだろうか。
あいつは何が目的であんていくに……？
ただ珈琲を飲みに？それともあんていくに喰種が集まると知って？
後者だとかなりまずい。
いや、だいたいあいつは
ただアタッシュケースを持っている人かもしれない…。
あんていくから出たら、少し追跡しようかな。
ー
「ありがとうございました」
金木さんの声が聞こえたのとほぼ同時に窓から下を見た。
あの男だ。
マスクをし、万が一の時のために動きやすい服に着替えておいた。
屋根の上を移動しながら男を追いかける。
路地裏に入った。
やっぱり白鳩？
餌場を狙って喰種を殺 す気なのかもしれない。
そっと後ろをついていき不意打ちをくらわそうとした時、ある疑問が頭をよぎる。
“ ここって餌場だっけ ”……？
『！？』
ヒュッと風が切れる音がした。
「かかったな」
ニヤリと笑う男は、クインケを持っている。
やっぱり。
「クズリ、お前に出会えて光栄だよ。お前のおかげで俺は亜門さんに認めていただける！！！」
男の目は狂気に満ち溢れていた。
まぁ、私が言うのもなんだけど。
仮面の下で目が赫眼に変わるのがわかる。
体内の血液が沸騰するように熱くなり、それと同時に体が雲のように軽くなる。
「お前が、お前さえ、お前の赫子を手に入れて、クインケにして差し上げれば！！」
バキバキと指の関節を鳴らす。
『お前なんて赫子なしで余裕』
うすら笑みを浮かべながらゆらりゆらりと近づく。
こいつはまだクインケを持って間もないな。
亜門？とかいうやつに気に入ってもらいたいがために自 殺行為か……、
やっぱり人間って、
『阿保だなぁ』
男の目は血走っていて、いまにも眼球が外に飛び出そうなほど見開かれていた。
呼吸は荒くなり、強く下唇を噛みすぎて血が滲んでいる。
「はやく、はやく、さしあげて、
いっぱいご褒美もらって、それで、それで、
あは、あは、あはあはあははぁぁぁぁあああ！！！」
男は狂ったように笑い出した。いや、元から狂ってたか。
路地裏に響く声は反響しながら私の耳に届く。
うるさい。
前が見えていないこいつを殺 そうとした時、後ろから邪魔が一人。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 355人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
