11・ ページ11
ーAsideー
『私が、悪いですか？』
先生は少し俯く。
「態度は、よくなかったかもしれんな。一部しか見ていないからなんとも言えんが」
『初対面の相手に、どういう態度をとったらいいのかわかりません。喰r「言うな」……なんでですか？」
「どこで誰が聞き耳を立てているかわからないからな。注意するように」
ますます面倒臭い。
私は短くため息をつくと、先生から荷物を受け取った。
『ありがとうございます。では、』
先生は何も言わなかった。
………いや、何も言いたくなかったのかもしれない。
ー渚sideー
東雲さんと烏間先生が教室から出て行った後、みんなは唖然としていた。
僕を含めたみんな、何が起こったかわかっていないのだ。
「業、」
最初に沈黙を破ったのは磯貝くんだった。
「来たばかりの女子相手にそいう態度とっちゃだめだろ」
磯貝くんは、怒るというよりも言い聞かせるように言った。
「俺が悪いの？」
業くんはストローを咥えたまま磯貝くんをにらんだ。
「そうは言ってないだろ」
困ったと眉を下げる磯貝くんと、今にも立ち上がりそうな業くんを、みんなは心配そうに見ていた。
「俺は、暗殺に協力するって言ってんのに仲良くはなりたくないって矛盾してること言ってるあいつが意味わかんなくてムカついてんの」
「わからなくもないけど、だからってその気持ちをそのまま相手にぶつけることないだろ」
「溜め込んでたらいつ爆発するかわかんないじゃん？だいたい溜め込むの苦手だし」
両手を広げて肩をすくめた。
多分挑発のポーズ。
「あ、なんか落ちてる」
険悪なムードのなか、明るくて軽い声が響いた。
倉橋さんだ。
倉橋さんが見ている場所には、たしかに白っぽい何かが落ちていた。
倉橋さんのおかげでみんなの注目はそっちに行った。
「…うさぎ？」
「うさぎ？」
「の、髪ゴムだぁ！」
「誰の？」
「私じゃないよ」
「岡島じゃね？」
「あー、俺だわ」
「嘘つけ！！お前は黙っとけ」
「ひどくね！？」
教室がいつもの空気に戻り始めた時、先生が教室に入って来た。
「烏間先生、東雲さん帰ったんですか？」
「ああ」
「えー、もっとお話ししてみたかったのに」
「悪いな、明日は来るだろうからそれまで待ってくれ」
「はーい」
そのあと、ビッチ先生と交代し、何事もなかったかのように授業が始まった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 355人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
eye(プロフ) - 悠李さん» ご指摘ありがとうございます！気づきませんでした…！訂正します！ (2019年8月4日 19時) (
レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
悠李 - すいません、11ページの「一部始終」というのは全てみていたと言う意味になるので正しくは「一部」だと思います…！ (2019年8月4日 18時) (レス) id: 9118a43d0b (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» えぇありがとうございます！！そう言っていただけて嬉しいです！！ (2019年3月25日 15時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
うにゅ( 'ω' )(プロフ) - eyeさん» うわ考えられてる！！！尊敬！！！ (2019年3月25日 13時) (レス) id: aa182fc6be (このIDを非表示/違反報告)
eye(プロフ) - うにゅ( 'ω' )さん» トーカちゃんはラビットです！ラビットって書いたらバレるかな…と思ってカタカナで「ウサギ」にしてみました！ (2019年3月21日 12時) (レス) id: 7f970af50c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：eye | 作成日時：2018年4月11日 1時
