森本刑事の恋愛日記７【完】

＊ ページ37

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蒼空「ママ〜！」

「蒼空、病院では静かにするって約束したでしょ？」

蒼空「っ！ごめんなさい、」

『いいよ、ありがとね蒼空』

蒼空「そら、お姉ちゃんになるからパパとの約束はちゃんと守るの」

『えらいえらい』











『海翔(かいと)くんだよ。蒼空、優しくしてね？』

蒼空「かいとくん、生まれてきてくれてありがとう」

「………頑張ったね、ありがとう」

『ううん。これから、もっと楽しみだね』









蒼空「お父さん、勉強教えて！」

「いいよ〜なにやる？」

蒼空「算数！あと、お母さんは後で家庭科の宿題手伝って！」

『わかった。じゃあ算数の宿題頑張ってね』

蒼空「うん！全部終わったら海翔と遊ぶ！」







『2人にね、大事な話があるの。ちゃんと聞いてくれる？』

蒼空・海翔「うん、」

「ありがとう。今から話すこと、忘れちゃダメだよ？」

蒼空「わかった」
海翔「忘れない」

『………2人にはね、お兄ちゃんか、お姉ちゃんがいたの』

蒼空「“か”ってどういうこと？」

『性別がわからないまま、亡くなってしまったの』








「海翔！しゃんと立って！」

海翔「いいよ〜写真なんて」

『良くないよ〜中学の入学式の写真だよ？一生残るんだから』

海翔「………1人じゃやだ、お母さん来て」

『…ふは、わかったわかった』

海翔「ちゃんと撮ってよお父さん」

「おっし任せろ！イケメンに撮ってやるからなー！」







蒼空「…お母さん、明日の夜ご飯、人連れてきても良い？」

『うん、いいよ』

「誰？」

蒼空「彼氏」

「ふーんそっか…………………………………彼氏！？」

『そうだよ〜』

「え、お母さん知ってたの！？」

蒼空「お母さんには前から話してある」

「なんで！？お父さんには！？」

そら「話さないに決まってるでしょ」

『決まってるでしょ〜』








海翔「お母さん、俺将来の夢見つけた」

『なに？』

海翔「俺もお父さんみたいに、弱い人たちを守りたい」

『おぉ、親子2代で警察官かぁ、』

海翔「ううん、違う」

『ん？』

海翔「俺はお父さんみたいなガッツはないし、体力もないから。

頭で勝負するよ。俺、検察官か弁護士になる」









「〜〜っ、うぅ……」

『ちょっと、そろそろ泣き止んでよ』

「無理だよ、愛娘の結婚式で泣かずにいられるわけないって、」

『もう、ちゃんと花嫁姿見てあげてよ』

「見たいけど〜〜〜」




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