森本刑事の恋愛日記７【完】

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家に帰ってきて、不確かな足取りで辿り着いたのは書類等を整理してある棚の前。


その1番上、小さな引き出しを開ければ、綺麗なままの母子手帳が覗く。




挟まったままのエコー写真。

ある日からぱったりと途絶えた成長記録。




全てを、震える指でなぞっていく。




あの子が生きていた証は、ここにしかない。




今も、全てのことを覚えてる。





妊娠が分かった日。喜んでくれた琢磨の顔。


お祝いに豪華なデザートにしたこと。


琢磨がかけてくれた優しい言葉たち。


支えてくれる人たちの、温かい思いやり。




全部全部、覚えてるのに。







涙はもう枯れたはずなのに、視界はまた滲んでくる。





ごめんね。

産んであげられなくてごめんね。



でもあなたはちゃんと、森本家の第一子だから。


長男なのか長女なのか、わからないけど。


お兄ちゃんお姉ちゃんになるんだよ。









頼りないママとパパだけど、どうかお空から見守っていて。



そしてこの子に何かあったら、どうか助けてあげて。




世界でたった1人の、あなたの妹だよ。












バッグに入れていたスマホが振動したのを感じて手に取る。





琢磨見て!虹!







琢磨からのそんなメッセージと、続けて送信されている1枚の虹の写真。



視線を窓の外に向ければ、私にも同じ虹が見える。





琢磨も今どこかで、この虹を見ている。


あの子も、この子も。




空は繋がっているんだ。時空だって超えられる。




さっきまで黒かったくせにいつの間にか青く広がっていてそれがどこまでも果てしなく続く綺麗な空は、これからの私たちを表しているかのようだと、心の奥深いところで感じた。









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サラっと性別発表〜〜〜〜


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