森本刑事の恋愛日記７【完】

＊ ページ27

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「A！！！！」

『あ、琢磨。ごめんね仕事中なのに』




教えられた病室の扉を勢いに任せてガラガラっと開けば、案外ケロっとしているA。


あれ、高橋さんから電話もらった時はすんごい緊迫感だったのに。






「大丈夫なの！？」

『うん、今はね』

助「もう少し時間かかると思いますのでこのまま入院になります。

旦那さんいろいろご準備お願いできますか」

「わ、わかりました」

『ごめんね、お願い』

「大丈夫だよ」




いつもの助産師さんと、いつもの先生。






先生「森本さん、あと少しの辛抱です。

痛いとは思いますが、赤ちゃんも頑張っている証拠です。

頑張りましょうね」

『はい、よろしくお願いします』

「お願いします」













入院の荷物を一度家に取りに帰った後再び病室を訪れると、ちょうど陣痛に襲われている時だった。






『ん〜〜痛い痛い痛い…！！』

助「痛いねぇ、頑張れ」

「A、」

助「旦那さん、ここ押してあげてください。お母さん楽になります」

「はい、………ここ？」

『ん………もうちょっと下がいい。…そこ！』



付き添ってくれてる助産師さんに教えてもらいながらAのサポートをしてみる俺だけど、本当に力になれてるのかなって、少しだけ不安になる。





助「旦那さんお上手ですね」

「ほんとっすか」

助「うん！ね？森本さん」

『ふふ、はい』




こんな時でも俺に笑ってくれているAが、たまらなく愛おしい。



もうすぐ顔を見せてくれる赤ちゃんのために命をかけて頑張ってくれているというのに。







「頑張れ、A」






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