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段々と桃色に染まっていくお尻。宏太は横で見ていてそわそわとした。あんなにケンカするのに、お仕置きで泣かされているのを見るとやっぱりかわいそうに思う。
早く謝って許してもらえばいいのに…と、人のお仕置きの時は冷静だ。
そんな思いが通じたのか、光はやっとその言葉を口にした。
「うぇ、うぁぁんっ…ごめんなさい…」
「うん。何が?」
「にぃにのこと…たたいてごめんなさい…」
「ひか?慧ちゃんのことも叩いたんじゃないの?」
「!!たた、いたっ……うぅ、けぇちゃんにもっごめんなさいしゅゆ、からぁっ…!」
ひくひくとしゃくりあげて、元々の舌ったらずがさらに度を増していた。そんな姿に、キャンプ先で可哀想なことしたかなぁと侑李は柄にもなく思う。
光を抱き起こすと、涙で溺れそうなくらい泣いていた。
仕方ないなぁと、これはまたお仕置き前とは違ったため息。
「はい、よく頑張ったね。こーたもおいで」
既に侑李の左腕にしがみついて泣いている光を慰めつつ、侑李は右腕を広げて宏太を呼んだ。
やっとお仕置きが終わって、宏太も安堵してそこに飛び込む。
普段通りハチャメチャにケンカしてくれた2人だが、いつもと違う環境で叱られたのはやはり堪えたらしい。抱きつく力が少しだけ強かった。
「うぁあんっ…えぐっ…わぁああんっ…!!」
「ひか?そんな泣かないよ、もう終わったんだから」
侑李にしがみつき、体を丸っこくして泣き続ける光に、「早く泣き止まないとゆーてぃーたちがお風呂でのぼせちゃうよ…」と侑李は苦笑する。
「ひかる、あかちゃんみたい…」
「こらっ、こーたっ」
それを見た宏太が息をするようにいじわるを言うので、侑李は抱き締めていた手でお尻のあたりをぺちんとする。ハッとした宏太は、ぎこちなく光の頭を撫でた。
「ご、ごめん、ひかる…いまのうそだからっ…」
しかし光は泣きすぎて聞こえていなかったようで、撫でられた頭に顔を上げる。
「にぃにっ…」
「…ん?」
「たたいてごめんね…?」
「…おれも、いじわるしてごめん…」
きちんと自分達で仲直りした息子たち。
こうして微笑ましい姿を見せてくれると、侑李も叱った甲斐があったと思える。
かわいい息子たちをこのまましばらく眺めていたくなって、「ゆーてぃーたちには少しのぼせてもらおうかな…」と思ってしまう侑李なのだった。
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いちとま - みつあめさん» もう何周も読まさせて頂いています!これからも過去の作品たちを読み返しながらゆっくり待っていますね(*ˊ▿ˋ*) (2022年11月27日 13時) (レス) id: 183d13b82a (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - いちとまさん» う、嬉しすぎます😭❤︎ありがとうございます!これからも面白いと思ってもらえる作品を残せるように頑張ります✨ (2022年11月22日 23時) (レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
いちとま - みつあめさん» 書き方って、中々納得いくものに出会えないですよね!別の方のこのジャンルのお話を読んでも何処か物足りなさを感じて、結局みつあめ様の作品を読み返しているんですよね😂それ程に面白いと思っています!ご多忙だとは思いますが、いつまでも次の更新を待っています! (2022年11月22日 2時) (レス) id: 183d13b82a (このIDを非表示/違反報告)
みつあめ(プロフ) - いちとまさん» お久しぶりです!コメントありがとうございます✨作品を作る上で書き方は日々迷走して苦しんでいる部分でもあるので、褒めていただけてとても嬉しいです!これからもマイペースな更新になるかと思いますが、よろしくお願いします🙇♀️ (2022年11月20日 21時) (レス) id: 19e769908e (このIDを非表示/違反報告)
いちとま - 久しぶりにコメ失礼致します!僕はこのジャンルを取り扱われている方の作者様の中でもみつあめ様の書き方が1番好みなんですよね!なので、サイトの方も此方も更新すごく楽しみにしています!みつあめ様のペースで頑張って下さい(^-^) (2022年11月19日 21時) (レス) id: 183d13b82a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みつあめ | 作成日時:2022年8月3日 0時