毒りんご (ページ29)

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幼なじみ７ページ29

家には入らず階段に座っていると化粧をした大学生くらいの女の人が上ってくる。

「この前の、、」

「あっ、はい」

彼に会いたくないな。家に帰ろうと立ち上がると止められる。

「風磨となんかあったでしょ？」

子供相手にするみたいに笑う彼女を見てやっぱり大人は分から無い。

でも、流石彼の彼女だけあって良く分かってる。

「風磨ね、人のことに良く口を挟むの。

　だから、人によっては風磨のこと嫌いって思うみたい。

　でも、裏を返すと風磨は誰よりも人のことを考えてる。」

何となく分かる気がする。流石、彼女だけあって彼氏のことを良く見てる。

「わがままかもしれないけど風磨の言葉に耳を貸してあげて
　
　これが風磨の彼女である私からのお願い」

そう言い残すと階段を下りていく。

街を照らす夕日を見て、何故か前向きに考える気になった。

彼の家の前に行くと分かっていたように玄関が開く。

「今、あいつから電話あったんだ。話聞いてやれって」

ため息をこぼして背を向ける彼の後ろで笑みが浮かぶのが分かった。

凄いな、この二人。面白いくらい互いのことを理解してる。