毒りんご (ページ22)

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警察官１ページ22

「ゴメン、、今は健ちゃんと一緒に居たくない」

そう言い残して逃げるように勝利が公園を出ていく。

俺、何やってんだろう。取り返しの着かないことをしてしまった。

彼氏が入院している事実に甘えて勝利を傷つけてしまった。

幼なじみと言う立場で、ずっと想い叶わない辛さを味わってきたはずだ。

分かってる。今の俺は勝利からしたら従兄弟では無く、横やりを入れた男だ。

警察官なのに、、いや、警察官の前に人として最低な事をした。

過ちを犯した上に大事な従兄弟を傷つけた。俺にきっと警察官を名乗る資格は無い。

ぽつぽつと降りはじめた雨は俺の上にだけ降っているみたい。

「っ、、」

俺に涙を流す資格は無い。唇を噛み締めてベンチに腰を下ろす。

激しさを増す雨は全てを洗い流していくみたい。

「大丈夫ですか？」

男の人の声が聞こえて雨が止む。音が聞こえるから傘に入ってるんだな。

「大丈夫です」

ベンチから立ち上がり公園を出ようとすると腕を掴まれる。

「風邪引きますよ？もし、家が遠いのなら俺の家に来ませんか？」

気遣いはありがたいけど今の俺は優しくされる資格は持っていない。

「すぐそこなので」

「、、、分かりました」

解放された腕をポケットに突っ込んで公園を出る。

この時の俺はまだ知らなかった。彼との出会いが俺の運命を大きく変えることになるとは。