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「悪ぃ、ちょっと出かけてくる」


「うらさんこんな時間にどこ行くん?」


「んー、ちょっと」


「うわ!怪しすぎぃ」




ちょっと外出するだけでワーワーうるさく騒ぐ三人を放って、吉原遊廓へと向かう。

橙色の太陽が沈み、ぽつりぽつりと(とぼり)が下り始める吉原には多くの武将やら侍やらがいた。こんなにも女に飢えてる奴らがいるのか。くだらない。



昼見世の時のあの遊女がどうしても忘れられず、どこかで見た悲しさに充ちたあの目の正体を暴くために人生で初めて吉原へと足を踏み入れる。


ところで、どこへ行くのが正解なんだ?
とにかく金ならある。最悪コイツで解決だ。





「あのー、」


「客か?」


「あー、まぁ、はい。そんなとこです」




支配人らしき男方がこちらを睨みつけるような目つきの悪さを見せつける。


(そんな顔してっから出世できないんだよ。)



心の中でそう吐き捨てて、愛想笑いで返す。





「どの遊女をお選びに?」


「えー誰だっけ……」




遠目だったため、そんなにハッキリとは覚えていない。やっべ……




「片っ端から遊女紹介してくれません?目当ての奴がいたんっスけど忘れてしまって」



相手の男の目が怒りに染まる。

(悪ぃな、他人(ひと)を怒らせるのは得意なんだ)



「お前!何勝手なことを!」


「金ならいくらでもあるんだ」





持ってきた金の5分の1にも満たない金銭をポイッと投げてやると、その男方は目を丸くした。

ったく、お前がこんなに騒ぐから注目の的じゃねぇかよ……




「なんの騒ぎだ?」





凛とした澄んだ声が耳に入ってきた。

振り向いてその声の主を辿ると、





「みつけた……」





"あの"遊女が、禿のさす傘の下に立っていた。








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設定タグ:浦島坂田船 , 歌い手 , 曲パロ   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - 牡丹一華。@坂田家さん» はじめまして。ありがとうございます…!そのお言葉が一番の褒め言葉です( ; ; )ご期待に添えるよう執筆頑張りますね◎ぜひこれからも読んでくださると嬉しいです!よろしくお願い致します (2020年1月11日 8時) (レス) id: b3a866b10f (このIDを非表示/違反報告)
牡丹一華。@坂田家 - 夜分遅くに失礼します。作品を読ませていただきました。この作品のページが進めば進むほどのめり込みました。続編も読ませていただきますね。 (2020年1月11日 4時) (レス) id: ca03128f9d (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 舶(ハク)@月ノ山天文部さん» ありがとうございます!!書き方いろいろ工夫しながら書いてるので褒めてもらえてめちゃくちゃ嬉しいです(///)更新頑張りますね!これからもよろしくお願い致します!! (2019年5月16日 23時) (レス) id: b3a866b10f (このIDを非表示/違反報告)
舶(ハク)@月ノ山天文部(プロフ) - 誤字すみません……すごきではなくすごくです…… (2019年5月15日 1時) (レス) id: 7017cc79b6 (このIDを非表示/違反報告)
舶(ハク)@月ノ山天文部(プロフ) - お話すごく好きです!うらたさんかっこいい……更新楽しみに待っています、頑張ってください!あと書き方すごき上手くてとても読みやすいです(*´ω`*) (2019年5月15日 1時) (レス) id: 7017cc79b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/8ef4f72c271/  
作成日時:2019年4月27日 0時

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