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「ん…」
強めの消毒液の匂いで目を覚ます。上半身に違和感を覚え触れてみると、かなりの量の包帯が巻かれていた。
「そうだ…私…」
「目が覚めたかね?」
男がAの顔を覗き込む。Aが見た髪型や服装とはかなり異なっているが、すぐ、助けてくれた男だと分かった。
「助けていただいて、ありがとうございました」
「気にすることはない。…いろいろ、聞きたいという顔をしているね」
少しからかう様に言われ、Aは反射的に顔を隠す。馬鹿にしたわけじゃないと男は言葉を撤回した。
「えっと、その…ここがどこなのかということと、貴方のお名前が知りたくて…。あと、私、病院を抜け出してきたので、騒ぎになってないか気になってしまって…」
そんなことか、と男は椅子をベッドに寄せて座る。
「君がいた病院には、まあ…方法は秘密だけれど、ちゃんと説明をしてある。だから、騒ぎになることはない。
あと、私の名前は、森鴎外。小さな寄り合いの長をしていてね。ここは、その寄り合いの拠点となるビルさ」
「そうだったんですね…。ありがとうございます。すみません…私、本当に何も覚えていなくて、自分のこと何も言えなくて…」
悲しそうにするAの肩に、森はぽんぽんと優しく叩く。
「気にすることじゃないよ。ゆっくり思い出していけばいい。しかし、名前が分からないのは少し不便だねぇ…。何と呼べばいいかわからないな」
「本当にすみません…。あ、あの、もう一つ、聞きたいことがあって…」
「何かな?」
Aは一瞬口篭る。頬がほんのりと赤い。森は分からず、とりあえず、Aの次の言葉を待つ。
「えっと、その…。怪我の手当は、森さんがしてくれたんです…よね?」
「そうだけど……あっ…」
つまり、Aは森に、自分の裸を見たのかと聞きたいのである。悟った森は慌てて胸の前で両手を振る。
「変なことはしていないよ!?」
「さ、されていたら困りますっ…!」
「薄暗い所で手当したし、まず、助手をつけていたんだよ!そう!助手!」
「助手…看護師さん、ですか?」
「
二人は、声がした方を振り向く。そこには、着物を着た女が立っていた。朱色の髪は上の方でまとめており、可愛いよりも、美しいという言葉が合う人だ。
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arena(プロフ) - あかりさん» 無言参加失礼しました…。読んでいただいて光栄です!ありがとうございます! (2018年1月29日 7時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - イベント参加ありがとうございます! すごい面白いです これからも頑張って下さい! (2018年1月29日 2時) (レス) id: 59dc504c48 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - ちゅうや大好きさん» ありがとうございます! (2018年1月28日 13時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅうや大好き - すごく面白いです (2018年1月28日 12時) (レス) id: 2184bb70c3 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます。自分の作品の内容を忘れてしまう馬鹿ですが頑張ります!笑 (2018年1月22日 0時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:arena | 作成日時:2018年1月11日 21時