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『お姉ちゃん、お茶漬け食べよ…!』




夜、こっそり二人で食べたお茶漬け。見つからないかドキドキしたけれど、とても美味しかった。




『お姉ちゃん、僕、今日は罰を受けなかったよ!』




滅多に笑わなかった敦。あの笑顔を見た時は、涙が出るほど嬉しかったな。




『お姉ちゃ……姉さん!…呼び方、慣れないな〜』




いつまでも『お姉ちゃん』という呼び方は恥ずかしいと言って、何年か前から『姉さん』になった。間違えて焦る敦、可愛かったな。


なのに…


『ガァァァァ!!!』




突然、姿が変わった。恐ろしい白虎に。なんとか戻って欲しかったけれど、自我を失った敦は、虎の爪で私を……








「……」




見慣れない天井が視界に広がる。部屋は薄暗い。夜だろうか。少し開いている窓からは、何の音も聞こえない。


少女はゆっくりと体を起こす。体に繋がれている機械は、ゆっくりと外した。音が鳴るかと思ったが、鳴らない。Aは、今、目を覚ましたのだ。




「…ここ、は…」




自分がどこにいるのか分からず、困惑する。分からないのは場所だけではない。己が何者なのかも(・・・・・・・・)




「…出られる…」




Aの病室は一階のため、窓から出ることが可能である。床に足をつかせ、立っている。少しふらついたが、 なんとか立ち直す。窓を開け、花壇を超えてレンガブロックが敷き詰められた地面に立つ。




「…冷たいな…。どう、しよう…」




Aは行くところもないまま、病院を出ていった。









今は夜中の三時過ぎ。普段賑やかな通りには、人が二人ぐらいしかいない。
きょろきょろと周りを見ながら歩く。ふと、胸から腹にかけて痛みを感じた。




「傷…爪痕…?」




三本の線が、胸から腹にかけて引かれている。赤黒く、がさがさである。




「私に、何があったのかな…」

「手前…人虎か?」




人虎が何かは、Aに分からない。しかし、その質問は自分に向けられているとわかり、振り向いた。闇に同化しているのではないかというくらい、青年の服装は黒だ。
帽子からは、オレンジ色の髪が見える。




「じん、こ…?」

「こんな夜中に散歩か?よほどマフィアに狙われてぇらしいな?」

「えっと……」




Aは、青年が何を言ってるのかわからず、ただただ困惑する。




「安心しろ。痛い目にあうのは一瞬だけだ」




青年はにやりと笑う。

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arena(プロフ) - あかりさん» 無言参加失礼しました…。読んでいただいて光栄です!ありがとうございます! (2018年1月29日 7時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
あかり(プロフ) - イベント参加ありがとうございます! すごい面白いです これからも頑張って下さい! (2018年1月29日 2時) (レス) id: 59dc504c48 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - ちゅうや大好きさん» ありがとうございます! (2018年1月28日 13時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅうや大好き - すごく面白いです (2018年1月28日 12時) (レス) id: 2184bb70c3 (このIDを非表示/違反報告)
arena(プロフ) - 瑠李さん» ありがとうございます。自分の作品の内容を忘れてしまう馬鹿ですが頑張ります!笑 (2018年1月22日 0時) (レス) id: eb7b6b7134 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:arena | 作成日時:2018年1月11日 21時

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