04 ページ5
私は戸棚からまず熱さまシートを取り出して、解熱剤と水を用意して、彼の元に戻る。熱さまシートを貼り、薬を飲ませるために寝転んでいる彼に呼びかける。
『解熱剤用意したので飲んでください、起こしますよ』
彼はうっすら目を開いて起き上がろうとするので、倒れこまないように背中を支えて彼が起きるタイミングと合わせて起こしてやる。彼は直ぐに解熱剤を飲んだ。彼は飲んだ後に直ぐにまた寝始めた。
寝室の明かりを暗くして、勉強机の電気だけつけて、私は本を読み始めた。いつもならリビングで見ればいいのだが、彼が体調不良なので、傍で見守るのがいいと判断したからだ。
彼が寝始めて数時間経った、私もそろそろ寝ようかなと椅子でうんと伸びをした。すやすやと気持ちよさそうに寝ている彼の頬に手を当てる。触ってみたところそこまで熱くないから、熱が下がったようで何よりだ。
布団と枕を用意して、私はいつものようにソファで寝ることにした。翌朝になり、うんと伸びをしながらソファから起き上がった。休日はのんびりと起きれるのでそこがいい所だ。布団と枕を片付けて、彼の容態を見に行くことにする。
寝室を見に行くと彼はまだ寝ているようで、起こさないようにそっと寝室を後にした。顔色は昨日より良くなっていて大丈夫そうだった。お粥でもつくるかなと、腕まくりしているところに彼がキッチンに顔をのぞかせた。
『あ、おはようございます。顔色良さそうで何よりです』
「おはよう、昨日はありがとね。……じゃ俺行くから」
『まだ病み上がりなんで気を付けてくださいね、いってらっしゃい』
彼は最低限の挨拶とお礼を私にいうと、手をひらひらっと振りながら帰って行った。相変わらず、淡白だな……と思ったが今更気にすることではないだろう。またぶり返さないといいのだが。まあ、何番目か知らないが他の女性に看病して貰えるだろうし大丈夫だろう。私が気にすることではない。彼のことを思い出さないように、かき消して、私はのんびりと過ごした。
276人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:可愛。 | 作成日時:2022年10月7日 0時