赤井さん家の異能力者【名探偵コナン】【文豪ストレイドッグス】

episode58 ページ13

「それなら、私の異能力で君の異能が解けるという現実と辻褄が合わない。
だから、安心し給え。君は君、AはAだ。」


と、太宰さんは微笑む。
私は「それはもっと難しい話ですね」と微笑み返した。


「あの、話を割ってしまい申し訳ないのですが…Aさんってずっと横浜に住まれているわけではないんですか？」

『まあ、そんな感じですね。
住み心地いいんで、この先もずっと住む予定です。』

「Aにひとり暮らしなんてできる気しないけどね〜。」


そう、太宰さんはニヤニヤと言った。


『失礼な。今してますけど？』

「カップラーメンばっかり食べてる、って前言ってましたよね…？」

『安室さん！？裏切りは、裏切りは良してくださいよぉ…。』


私は態とらしく言った。
太宰さんは「やっぱり出来てない」と、ニヤニヤとした笑顔で私をツンツンと指さした。


『乙女を泣かせて楽しいか極悪人…。』

「おおー怖い怖い、そんなんじゃ末代まで呪われそぅ〜。」

『お前が末代じゃボケェ…。』

「さあ、どうかな。」

『え…いらっしゃるんですか、お子さん。』

「いない。」

『いないんですか！？』

「え、むしろ君はいるのかい？」

『いや、居ないですけど…。』

「てか、A、今日はよく喋るね。
どうしたの？成長期？」

『この世界は一般社会なので。
それと、それ皮肉ですか？』

「さあ。」


「水、掛けましょうか。」と私は頬杖を着く。
確かに今日はよく喋りすぎた。


『…疲れてきたかもしれないですね。』

「…A、1つ成長した君に良いことを教えてあげよう。」


太宰さんはニコニコと言葉を続ける。


『なんですか？』

「私の異能力は、異能力を無効化するだけだ。」

『知ってますよそんなの。』

「それだけ。」

『そうですか。』


私はその言葉を頭の中で数回噛み砕く。
しかし納得ができず考え込む。

コンコンコン、とテーブルを指で叩く。
視線を左、上、右、下、とチラチラと回す。
左手の中指と親指を擦り合わせ、考えを纏める。


スっと、太宰さんの意図が頭に浮かぶ。


『…深い意味があるから、考えて来いって感じの宿題ですか？』

「そゆこと。」

『答え、導き出せたら言いますね。』

「嗚呼、頑張り給え。」

『でもまだ、さっきの言葉で何を言いたいのか全く分かりません。』

「それを求めてこその百点満点だよ。」

『頑張ります。』


そう言って、溶けた氷ですっかり薄まってしまったジュースを飲み込んだ。

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