10話 ページ10
握ったAちゃんの手は、女の子だけあってやっぱり小さかった。
そしてじーっと握られた手を見つめるAちゃん。
及「なっ何?」
『いや、及川さんは誰とでも、自然にこういう事出来るんだなーって関心してました。」
及「何それ!まるで及川さんは心がないたらしみたいじゃん!」
『え?違うんですか?』
きょとんと首を傾げるAちゃんに肩を落とした。
及「あれ?Aちゃんて及川さんの事好きなんだよね?」
『もちろん好きですよ。じゃなかったら、手握られた時点でぶっ飛ばしてます。』
及「Aちゃんって意外と物騒!」
『冗談です。私そんなに怪力娘じゃありません。』
あははと笑ったAちゃんの笑顔に、少し胸がキュッとなった。
及「あれ…なんかおかしい…」
『具合悪いですか?大丈夫ですか?家まで送りますよ!?』
空いていた手でグッと胸を掴むと、心配そうに顔を覗き込んでくるAちゃん。
及「いや、大丈夫だよ。それより…今日みたいなこと結構あるの?」
『ああ…ないって言ったらウソになりますけど、及川さんほど多くはないですよ。』
及「俺はどんなイメージなのっ!っていうか、俺が行かなかったらどうなるか分かってた!?何で抵抗しないの!」
『それは…あの後ちゃんと反撃をするつもりでですね…』
もごもごと言い訳を始めたAちゃんをスッと目を細めて見つめる。
『なぁ!なんですかッ!』
及「じゃーどんな反撃するつもりだったの?」
『急所を一蹴り。』
及「うん。その男子も俺が出て行ってよかったね。」
思わず想像して顔が歪んだ。
『でもまあ、正直及川さんが来てくれて助かりました…』
及「だよね。Aちゃんそんな事出来ないでしょ。」
『あの時の及川さん、かっこよすぎて惚れ直しました。』
及「えっ…」
久しぶりに彼女から素直に褒められた気がする。
褒められる事も、かっこいいと言われることも慣れているはずなのに、どうしてか少し動揺した。
及「こ、これからは呼び出されてもホイホイ付いて行っちゃダメだからねっ!」
『分かりました。及川さんに言われたら気を付けるしかないですね。』
何だこのデレタイムは…
及「Aちゃん悪いものでも食べた?」
『殴られたいんですか?』
及「ゴメンっ!」
俺にこんな態度をとる女の子は、久しぶりかもしれない。
本当に俺の事が好きなのかと疑いたくなるレベルだ。
及「そうだ。今度の月曜、放課後デートしようか!」
『はっ!?』
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ポチ - 天女楽しみに待ってます!これからも頑張って下さい!! (2017年3月30日 9時) (レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - ポチさん» コメントありがとうございます!わぁぁあぁぁ!嬉しいです(*'▽')これからも頑張りますね!了解です。天女も自信がついたら更新再開しようかなーと考え中なので、その時はよろしくお願いします! (2017年3月29日 21時) (レス) id: 8381412bff (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - 本当に面白かったです!私は、炭酸さんの小説大好きなのでこれからも頑張ってください!出来れば、天女も消さないでほしいです (2017年3月29日 11時) (レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アンゴラさん» うわあああああありがとうございます(T_T)本当に嬉しいです!はいっ!頑張りますね(o^^o) (2017年3月6日 11時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
アンゴラ - はじめまして、今まで読んできた恋愛夢小説の中で一番と言っていいほど素敵な作品でした!主人公の女の子のさっぱりしてるけど、ちゃんと及川さんの事が大好きだし、及川さん自身のことをちゃんと考えてあげられる所がグッときました!これからも頑張ってください! (2017年3月5日 20時) (レス) id: adb7c58c2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:炭酸 | 作成日時:2017年1月10日 0時