検索窓
今日:10 hit、昨日:0 hit、合計:17,008 hit

5話 ページ5

『あっ!及川さん、少し待っててください!』

少し無言で歩けば、何かを見つけ走って行ってしまうAちゃん。

言われた通り待っていれば、戻ってきた彼女の手にはホットココアが握られていた。

『すいません。ココア大丈夫ですか?』

心配そうに一本俺に差し出してくる。

及「いいの?もらって?」

『はい。お疲れのところすいません。という意味を込めて。』

及「ありがとう。」

素直に受け取れば嬉しそうに顔をほころばせた。

及「けど、何であんな寒い中待ってたの?話なら、休み時間とか部活前とかタイミングあったでしょ。」

お互いココアは飲まずに、両手で握って暖を取っている。

『いや、それだと及川さんに迷惑をかけると思って。』

及「迷惑…」

『休み時間は短いですし、部活前なんてもっての外です。』

及「どうして?」

『部活に遅れたら大変ですし、そうでなくても一刻も早くバレーしたいんだろうなって。』

彼女の予想以上の気遣いに思わず感心させられた。

及「それでそこまでして俺に話したかった事って何?」

俺が切り出せば、待ってましたとばかりに体を緊張させたAちゃん。

十字路に差し掛かったところで、足を止めた。

俺も足を止めて彼女に振り返る。

『私、及川さんが好きです。』

真っ直ぐに告げられた言葉は、先ほどのやり取りから少し想像していたもので。

けれど、今日まで彼女は俺に興味なんてないと思っていたから、意外だった。

及「俺のどこが好き?」

思わずそう聞けば、はっきりと答える彼女。

『無理して笑う気持ち悪い笑顔とか、岩泉さんに怒られて涙目になってる気持ち悪い顔とか。』

及「…ん?今の…悪口じゃないよね!?」

彼女の口から出てきたのは、確実に悪口。

驚いて言えば、ケラケラとお腹を抱えて笑ったAちゃん。

『かっこいい部分はもちろんですけど、そういうところも全部含めて好きだって意味です。』

及「そんな事、初めて言われた…」

『返事はまた後で伺いっーー』

及「いいよ。付き合おっか。」

彼女の言葉を遮って言えば、今度は彼女が驚く番。

『えっ…い、いいんですか!?』

及「うん。でも、俺はまだ君の事知らないし、好きでもない。それでもいい?」

『もちろん、それでいいです。振り向かせますから。』


と強気な発言があり身構えていたものの…

付き合ったからと言って彼女が俺の元を訪れる事はなかった。

考えてみれば、この時から彼女は他の女の子と違っていたんだ。

6話→←4話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (62 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
80人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー! , 及川徹 , 青葉城西   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ポチ - 天女楽しみに待ってます!これからも頑張って下さい!! (2017年3月30日 9時) (レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - ポチさん» コメントありがとうございます!わぁぁあぁぁ!嬉しいです(*'▽')これからも頑張りますね!了解です。天女も自信がついたら更新再開しようかなーと考え中なので、その時はよろしくお願いします! (2017年3月29日 21時) (レス) id: 8381412bff (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - 本当に面白かったです!私は、炭酸さんの小説大好きなのでこれからも頑張ってください!出来れば、天女も消さないでほしいです (2017年3月29日 11時) (レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アンゴラさん» うわあああああありがとうございます(T_T)本当に嬉しいです!はいっ!頑張りますね(o^^o) (2017年3月6日 11時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
アンゴラ - はじめまして、今まで読んできた恋愛夢小説の中で一番と言っていいほど素敵な作品でした!主人公の女の子のさっぱりしてるけど、ちゃんと及川さんの事が大好きだし、及川さん自身のことをちゃんと考えてあげられる所がグッときました!これからも頑張ってください! (2017年3月5日 20時) (レス) id: adb7c58c2f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:炭酸 | 作成日時:2017年1月10日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。