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22話 ページ22

岩ちゃんに軽く蹴りを入れられて、文句を言いながら教室を出てきた。

ひと気の少ない場所へと彼女へいざなわれる。

途中、Aちゃんによく似た子が男子生徒とどこかへ歩いているのが見えた。

思わず足を止めれば、彼女もそれに気が付いたらしい。

「あの子、今の彼女?」

どうやら彼女の目にも入っていたようだ。

及「そうだけど。」

「男と一緒だったね。」

及「そうだね。」

「浮気されてるんじゃない?」

及「どうだろうね。」

「2人が行った方も人の少ない場所だよね?」

及「そーだね。」

煽るような彼女の言葉に、少しイラッとした。

「あの子のどこがいいの?」

及「どこ?それ答えなきゃダメ?」

「別にいいけど。私の方がルックスもスタイルもよくない?」

及「好みは人それぞれだから。」

確かに目の前にいる彼女は、顔も悪くないしスタイルもいい。

「でも、徹は私と付き合ったよね?」

及「好きだって言ったのはそっちでしょ。」

「それじゃ徹は私の事好きじゃなかったって事!?」

途端に怒り出す彼女は以前と何も変わっていない。

自分に自信があるからこそ、プライドを傷つけられるのが許せないんだろう。

及「さーね。」

覚めた返事を繰り返す俺に、彼女は少し焦っているらしい。

「まっ…まあいいわ。」

及「話って何?」

「あの子と別れて、私とより戻さない?」

甘えたように手を取ってくる彼女。

「別れて気が付いたの。どれだけ徹が大切だったかって。」

ウルウルと濡れた瞳で俺を見上げてくる。

「まだ徹の事が好き。今度はわがままも言わない…だからっ」

でも、この程度で俺の事を落とせると思ったら大間違いだよ。

及「ゴメン。無理。」

彼女の言葉を遮って答えると、途端に目が見開かれた。

「ど…どうして!?」

及「俺にはAちゃんがいるから。」

「でも浮気してるでしょ?そんな子よりっ」

及「どうして浮気してるって言い切れるの?君がAちゃんの何を知ってるの?」

「なんでそこまで庇うのよ…今までの彼女にはそんなに執着しなかったくせに…」

及「それはね、Aちゃんが俺をちゃんと見てくれてるから。他の子達とは違って。」

「私だって!ちゃんと徹の事っ」

及「君が見てたのは俺自身じゃなくて、<青城バレー部主将でイケメンセッターの及川徹>でしょ?」

俺が聞けば一瞬言葉を失った彼女。

及「じゃ、俺はこれで。」

彼女から離れると同時に、俺の足はAちゃんが消えていった方へ向かっていた。

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設定タグ:ハイキュー! , 及川徹 , 青葉城西   
作品ジャンル:アニメ
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ポチ - 天女楽しみに待ってます!これからも頑張って下さい!! (2017年3月30日 9時) (レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - ポチさん» コメントありがとうございます!わぁぁあぁぁ!嬉しいです(*'▽')これからも頑張りますね!了解です。天女も自信がついたら更新再開しようかなーと考え中なので、その時はよろしくお願いします! (2017年3月29日 21時) (レス) id: 8381412bff (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - 本当に面白かったです!私は、炭酸さんの小説大好きなのでこれからも頑張ってください!出来れば、天女も消さないでほしいです (2017年3月29日 11時) (レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アンゴラさん» うわあああああありがとうございます(T_T)本当に嬉しいです!はいっ!頑張りますね(o^^o) (2017年3月6日 11時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
アンゴラ - はじめまして、今まで読んできた恋愛夢小説の中で一番と言っていいほど素敵な作品でした!主人公の女の子のさっぱりしてるけど、ちゃんと及川さんの事が大好きだし、及川さん自身のことをちゃんと考えてあげられる所がグッときました!これからも頑張ってください! (2017年3月5日 20時) (レス) id: adb7c58c2f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:炭酸 | 作成日時:2017年1月10日 0時

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