21話 ページ21
「おっ及川さん！」
廊下を歩いていると、下級生と思われる女子集団に呼び止められた。
及「はーい？何かな？」
振り向いて、笑みを浮かべれば途端に赤くなる顔。
この子達には効果てきめんの笑顔なのに、Aちゃんはお気に召さないようだ。
「あのっ…及川さんってまだAさんとお付き合いしてるんですか？」
1人の子が勇気を振り絞ったように聞いてくる。
及「うん。そうだけど…？」
俺が答えると、険しい顔で全員がアイコンタクトをとる。
「及川さん！別れた方がいいですよ！」
「そうです！言いにくいですけど…多分、Aさんは浮気してますよ。」
及「浮気？」
「はいっ！最近よく他の男の人と一緒にいるし…」
及「そうなの？でも友達かもしれないでしょ？」
「毎回、男の人変わってます。」
「及川さんが傷つく前に、別れた方がいいと思います！」
「私達、心配なんです！」
及「なるほど、教えてくれてありがとう。」
それだけ言ってひらひらと手を振ると、女の子たちはホッとした表情で笑っていた。
別に気にはしてないけど、最近この手の話でよくファンの子に呼び止められる。
これで3回目。
どの子もAちゃんが浮気してるから別れろというようなことを言っていた。
及「って話なんだけどさっ！Aちゃんに限ってそれはないよね!?」
岩「知らん。」
及「真面目に話してるんだよ！聞いてくれてもいいじゃん！岩ちゃんのけちー！」
岩ちゃんの元を訪れてその話をすれば、一気に仏頂面になる。
岩「俺が見てる限りは、そんなやつじゃねーと思う。」
及「だよね？やっぱり！俺もそう思ったんだ！」
岩「気になるなら本人に聞けばいいだろうが。俺はAの事あんま知らねーし。」
及「べっ別に…聞いてもいいんだけどさ！」
岩「さてはお前…フラれるかもってビビってんだろ？」
及「そんなことないしっ！第一、及川さんがAちゃんを好きなんじゃなくて、Aちゃんが及川さんを好きなんだからっ！」
岩「やっぱお前フラれちまえ。」
及「ちょっと岩ちゃん！酷いよー！」
ふざけて岩ちゃんの腰に抱き付けば、本気で嫌がられた。
「徹。ちょっといい？」
及「ん？何？」
声をかけてきたのは元彼女。
別れた理由は他と同じ、バレーより私を優先して！という彼女のわがまま。
「ここじゃ…場所変えたいんだけど。」
気まずそうに辺りを見回す彼女の様子から何となく察しは付いた。
岩「ほれ、離れろクソ及川」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「青葉城西」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポチ - 天女楽しみに待ってます！これからも頑張って下さい！！ (2017年3月30日 9時) (
レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - ポチさん» コメントありがとうございます！わぁぁあぁぁ！嬉しいです(*'▽')これからも頑張りますね！了解です。天女も自信がついたら更新再開しようかなーと考え中なので、その時はよろしくお願いします！ (2017年3月29日 21時) (レス) id: 8381412bff (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - 本当に面白かったです！私は、炭酸さんの小説大好きなのでこれからも頑張ってください！出来れば、天女も消さないでほしいです (2017年3月29日 11時) (レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アンゴラさん» うわあああああありがとうございます(T_T)本当に嬉しいです！はいっ！頑張りますね(o^^o) (2017年3月6日 11時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
アンゴラ - はじめまして、今まで読んできた恋愛夢小説の中で一番と言っていいほど素敵な作品でした！主人公の女の子のさっぱりしてるけど、ちゃんと及川さんの事が大好きだし、及川さん自身のことをちゃんと考えてあげられる所がグッときました！これからも頑張ってください！ (2017年3月5日 20時) (レス) id: adb7c58c2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：炭酸 | 作成日時：2017年1月10日 0時
