20話 ページ20
「… だよなー。」
「―-ちゃんもまさかなー。」
休み時間、ふと通りかかった教室から聞こえた話し声。
「イケメンムカつくわー。」
「何で及川ばっかり。」
普段なら聞き流すはずの噂話だったが、聞き馴染んだ名前に足が止まった。
何気なく教室の中を覗けば、素行のあまりよくない男子生徒が集まっている。
「ならさ、とっちゃえば?」
「それいいかも。」
「及川から略奪出来れば、でかい顔出来るわー。」
「でも誰が?」
「誰でもよくね?むしろ大人数の方が確立上がるじゃん。」
「言えてる。じゃ、誰が落とせても恨みっこなしな。」
「賛成。あー、俺本気出しちゃおー!」
「そっか、お前Aちゃんどストライクって言ってたもんな。」
黙って聞き耳を立てていれば、話は及川から彼女を略奪する事でまとまったらしい。
さて、聞いてしまったからにはどうしたらいいものか…
と悩んでいれば、運悪く友人が俺の名前を呼んだ。
「松川―!」
松「おッ…えーと何?」
俺の存在に気付いた男子たちは、どこまで聞いていたのかと焦っている様子。
松「さんきゅー。」
友人にお礼を言ってその場を立ち去る。
何か言いたそうにしていた男子たちは、とりあえず無視した。
岩泉を探して歩いていれば、花巻と出くわす。
松「なー。花さんや。」
花「何ですかい?松さんや。」
松「俺さ、聞いちゃまずい話聞いちゃったかもー。」
先ほどの出来事を花巻に話せば、苦笑いしていた。
花「及川妬まれてんなー。」
松「ねっ。まあ及川も悪いとこあるけどさっ。」
花「及川はどーでもいいけど、Aちゃんが心配っ!」
松「それ及川聞いたら怒りそう。花はAちゃん好だね?」
花「うん。」
松「三角関係とかやめてね。」
花「おい待て。そういう好きじゃないから。及川と付き合ってなかったら、狙ってかもしれないけど!」
松「がちじゃん。」
花「がちじゃねーし!Aちゃんいい子だよ?及川の彼女にはもったいないくらい。あっ俺もその略奪計画参加してこようかな。」
松「やめて。部内修羅場とか無理。」
花「冗談。」
松「で、俺どうすればいいの?」
一通りバカ言い合ったところで、真面目な話を持ち出す。
松「及川に伝えるべき?」
花「さーな。松の思ったようにすれば?」
松「でもさ、教えなかったってバレたら及川うるさそうじゃない?」
花「確かに。めんどくさい主将をもったなー俺達。」
結局、様子見をすることにした。
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ポチ - 天女楽しみに待ってます!これからも頑張って下さい!! (2017年3月30日 9時) (レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - ポチさん» コメントありがとうございます!わぁぁあぁぁ!嬉しいです(*'▽')これからも頑張りますね!了解です。天女も自信がついたら更新再開しようかなーと考え中なので、その時はよろしくお願いします! (2017年3月29日 21時) (レス) id: 8381412bff (このIDを非表示/違反報告)
ポチ - 本当に面白かったです!私は、炭酸さんの小説大好きなのでこれからも頑張ってください!出来れば、天女も消さないでほしいです (2017年3月29日 11時) (レス) id: 69ba502fbd (このIDを非表示/違反報告)
炭酸(プロフ) - アンゴラさん» うわあああああありがとうございます(T_T)本当に嬉しいです!はいっ!頑張りますね(o^^o) (2017年3月6日 11時) (レス) id: 35aaf36854 (このIDを非表示/違反報告)
アンゴラ - はじめまして、今まで読んできた恋愛夢小説の中で一番と言っていいほど素敵な作品でした!主人公の女の子のさっぱりしてるけど、ちゃんと及川さんの事が大好きだし、及川さん自身のことをちゃんと考えてあげられる所がグッときました!これからも頑張ってください! (2017年3月5日 20時) (レス) id: adb7c58c2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:炭酸 | 作成日時:2017年1月10日 0時