【HQ!】形勢逆転【及川徹】

18話 ページ18

及「岩ちゃん、遅かったね？」

岩「お前が早いんだろ。」

そしてすぐに手に持った紙袋へ視線を移す。

及「はっ！岩ちゃんがッ…差し入れをもらってるっだとっ!?」

岩「うるせ、殴るぞ。」

言うが早いか、及川の後頭部をバシンと殴る岩泉。

及「もう殴ってるじゃん！」

殴られた箇所を抑え涙目で岩泉を睨む及川。

岩「こっちは部員皆にだってよ。」

そう言って大きい方の紙袋を差し出す。

及「え？何コレ？誰から？」

岩「一応主将なんだから、お前が部員に声かけろよ。」

及「ねえ岩ちゃん、俺の質問全無視？」

岩「それと、こっちはお前にだと。」

次に差し出したのは小さな袋。

及「なーんだ！やっぱり俺のファンの子か！それにしても…部員全員に差し入れってその子気が利くね。」

岩「ああ、そうだな。」

どや顔の及川にイラッとしながらもストレッチを始める岩泉。

及「名前とか言ってた？よく来てる子？後でお礼言っとかないとなー。」

岩「おい。」

及「ん？何？」

岩「お前そいつが好きだっつってきたらどうすんだ。」

及「どうしたの急に。」

岩「いいから答えろ。」

及「どうするも何も、気持ちだけ受け取っておくよ。俺にはAちゃんがいるしね。」

及川の返答に面食らった様子の岩泉。

及「え、岩ちゃん何その反応。」

岩「いや…珍しくまともな事言ってんなーと思って感心した。」

及「失礼だなっ！もう！」

岩「Aの事、好きかは分からないって言ってなかったか？」

及「そんな事も言ったねー。でも今はちゃんと好きだよ。本人には言わないけどねっ。」

岩「やっぱお前くそだな。」

及「ちょっと意味わかんないっ！何で俺、暴言吐かれてんの!?」

呆れてため息を吐きながら立ち上がった岩泉。

岩「お前さもっとAの事、大事にしないと後で後悔すんぞ。」

及「どういう意味？」

岩「Aみたいないい女、お前にはもったいねーって事だよ。」

ストレッチを終えて、アップに入ろうとする岩泉を追いかける及川。

及「もしかして岩ちゃんもAちゃんの事好きなのッ!?」

岩「は？俺は今、バレーにしか興味ねえよ。」

及「だって今、いい女って言ったじゃん！」

岩「気の利いた差し入れ、誰からだと思う？」

その問いかけに、ハッとした表情を浮かべる。

及「もしかしてAちゃん!?」

岩「当たりだ。」

及「Aちゃん来てたの!?何で呼んでくれないの!?何で俺に渡さないのっ!?」

岩「やっぱお前にはもったいねーな。」

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