標的15 孤高の鳥は ページ18
草壁視点
ーー数ヶ月前ーー
委員長が倒れた、そんな事実に一つ目眩がした。
真っ白な病室で寝る委員長は、まるで陶器の西洋人形のように綺麗で、ピクリとも動かない。
しかし、周りにある白色はいつになく委員長を弱々しく見せた。
___
倒れたその日はいつもより忙しなく働いていたようだった。
何か用事でもあるのだろうか。
俺は、出来る限り委員長が用事に遅れることの無いようにと、自分もいつも以上に働いた。
だが、委員長がテキパキと仕事をこなしておられる中ドサッと何かが倒れる音がした。紙の書類にしては重く、鈍い音だった。
咄嗟に委員長の方へと見ればそこには、地べたにうつ伏せになって倒れている委員長の姿。
「っ委員長?!委員長!」
まるで死んでいるかのように気を失っていて、返事がない。
事態を重く見た俺はすぐさま救急車を呼んだ。
___
医者によると過労故だという。たしかにここ最近委員長に休みという休みがなかったように思える。
俺が帰った後も、学校に残って仕事をしていたようだった。
今はゆっくり休養をとってほしいと思う反面、早く目を覚ましてほしいとも思ってしまう。
俺一人でしっかりできるのかと不安なのだが、とにかく委員長のいない間の学校は俺が引っ張らないと。
「では、また」
返事がないことは承知の上だが、習慣から委員長にそう伝えて、病室を出た。→
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南条(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 感想ありがとうございます!とても励みになります…! (2018年4月10日 7時) (レス) id: 05ac4354b9 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - とても面白いです!自分のペースで更新頑張ってください! (2018年4月7日 4時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:南条 | 作成日時:2013年8月30日 0時