トーストと目玉焼きと、コーヒー (ページ29)

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予約してくれたお店の最寄り駅でもう一度化粧直し。

男性と２人でごはんなんて久しぶりすぎて全然落ち着かない。相手は歳下の学生だっていうのに。

待ち合わせの３分前に改札へ向かうと、一際背の高い男性が柱にもたれてスマホを触っているのが見えた。

ふーと深呼吸をして、小瀧くんの元へ駆け寄る。

「お疲れさま」

「ああ、お疲れさま」

小瀧くんは私と目が合うと小さく頭を下げた。私と同じように緊張してるのかな、少し表情がぎこちない。

「今日は忙しかったん？」

「んー、普通かな。ピークは過ぎた感じ」

歩き出そうとすると、「あ、こっちやで」なんて自然と腕を取られる。すぐに離しはするけど、私より慣れてるんだろうなあなんて思う。

予約してくれたお店はSNSで話題になっていたお店だった。安くて可愛い。若い女の子が好きそうな感じ。

「何飲む？てかお酒飲める？」

「飲めるよ。カシスビアにしようかな」

「そうなんやあ。俺シャンディガフ」

小瀧くんが店員さんに飲み物を頼んでくれる。こんな時どこに目線を置けばいいんだっけ。

私の落ち着かない様子が伝わったのか、小瀧くんは不安そうに私を見つめた。