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60. ページ10

「それ、どういう…」


「さ、遊びに来たんやから遊ばなあかんな」


俺の問いを遮るように、流星はベッドから降りて背伸びをした。


「シゲ、キャッチボールしようや」


「はあ?」


流星は俺を近くの芝生に連れて行った。ポケットからプラスチックのカラーボールを出す。


「いくぞー」


流星が右手を振りかぶる。


今日の流星は特段マイペースや。何考えてるんかさっぱりわからん。いや、いつも分からんけど。


近づいてくるボールを俺は反射的に両手で受け止める。返したらいいんか。


俺は右手でボールを投げた。受け止めた流星がまたボールをよこす。


無言で続くこのやりとりは、意外と苦ではなかった。


「あっ」


流星が下に向けてボールを投げた。しかも速いやつ。


ボールが来る方向にしゃがんで手を伸ばそうとした。そのつもりだった。


コン。


ボールは俺の手の中には収まらなかった。


俺の右脚がボールを弾いて、弧を描くように流星の頭を超えた。


「…」


流星はボールを追いかけることもせず、俺の足元を見つめていた。


蹴ってもうた。


胸に広がる、この高揚感は。


「あ、ごめん」


「ううん」


流星は首を横に振って、俺に駆け寄った。


「流星、俺」


「うん」


「サッカー、やりたい」


「うん」


流星は笑顔で頷いた。

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Hana(プロフ) - ころさん» コメントありがとうございました。前作に引き続き読んでくださっているようで嬉しいです。また次作の更新を楽しみにしていてください。 (2021年8月23日 20時) (レス) id: a0a6b60e39 (このIDを非表示/違反報告)
Hana(プロフ) - #TODAYさん» コメントありがとうございました。楽しんでいただけたようで何よりです。 (2021年8月23日 20時) (レス) id: a0a6b60e39 (このIDを非表示/違反報告)
ころ(プロフ) - 完結おめでとうございす。心あったまるような愛くるしい作品をありがとうございます。とても大好きな作品です!番外編や次作がありましたら、楽しみにしてます。陰ながら応援させていただきます。 (2021年8月19日 9時) (レス) id: 6fc41468f4 (このIDを非表示/違反報告)
#TODAY(プロフ) - とても好きな作品でした。完結まで書いて下さりありがとうございました。番外編がありましたら、そちらも楽しみにしております…! (2021年8月18日 23時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Hana | 作成日時:2021年6月11日 22時

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