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オカンが作った親子丼と冷蔵庫にあった鮭と麦茶4杯を平らげた流星は今、俺のベッドで無駄に長い手脚をぶらぶらと遊ばせている。
ここ、俺の家やんな?
「あー、腹一杯なった。寝てまう」
「お前ほんまに何しに来てん」
「遊びに来たんやんかあ」
マイペースな流星に俺はいつも勝てない。追い返すの諦めて、ベッドの脇に腰を下ろすことにした。
「シゲぇ」
「ん?」
「シゲってまた東京戻るん?」
「…」
すぐには答えられなかった。どちらかと言えば戻りたくない。カッコ悪い自分を見つけるのが嫌だ。
「聞いてんの」
流星は身体を起こして、俺の顔を覗きこんだ。この距離の近さも小学生の頃から変わってない。
「流星はどう思う?」
「え?」
「流星はどっちがいいと思う?」
俺は流星の顔を見る。いや、めっちゃ近い。いつかのデジャブ。
流星は大きな瞳をぱちくりさせて、一瞬目を伏せた。ぱかっと開いた口から言葉が飛び出す。
「戻ったほうがいいと思う」
「…マジ」
「ていうか」
流星は顎に手を添えてうーんと唸る。
「多分、自分で戻るって決めると思う」
「…」
俺は黙って流星の目を見つめていた。流星は少し寂しそうに笑っていた。
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Hana(プロフ) - ころさん» コメントありがとうございました。前作に引き続き読んでくださっているようで嬉しいです。また次作の更新を楽しみにしていてください。 (2021年8月23日 20時) (レス) id: a0a6b60e39 (このIDを非表示/違反報告)
Hana(プロフ) - #TODAYさん» コメントありがとうございました。楽しんでいただけたようで何よりです。 (2021年8月23日 20時) (レス) id: a0a6b60e39 (このIDを非表示/違反報告)
ころ(プロフ) - 完結おめでとうございす。心あったまるような愛くるしい作品をありがとうございます。とても大好きな作品です!番外編や次作がありましたら、楽しみにしてます。陰ながら応援させていただきます。 (2021年8月19日 9時) (レス) id: 6fc41468f4 (このIDを非表示/違反報告)
#TODAY(プロフ) - とても好きな作品でした。完結まで書いて下さりありがとうございました。番外編がありましたら、そちらも楽しみにしております…! (2021年8月18日 23時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hana | 作成日時:2021年6月11日 22時