87. ページ37
「よかったなあ…」
「えっ？」
思わず口から漏れていたらしい。
「いや、俺も神ちゃんもみんな元気になって幸せで…これ以上のことないなあって」
「ほんまやな」
ハンドルを握る流星の口角がきゅっと上がる。
今思えば、流星には本当に助けてもらった。
俺を家から連れ出してくれたのも、神ちゃんのことを思い出させてくれたのも、サッカーを続けるように背中を押してくれたのも、全部全部流星だ。
あの時流星が俺を受け入れてくれなければ、こんな風に回復することはなかったと思う。
「流星」
「ん？」
相変わらず整っている横顔に話しかける。
「色々、ほんまにありがとう。今度、流星が困った時は俺のこと呼んで。すぐ飛んで行くから」
「…」
流星は何度か瞬きをすると、ふっと口元を緩めた。あれ、なんか面白いこと言うたか？
「…好きやわ」
「え？」
微かに声が聞こえたのはわかったが、低くて聞き取れない。
「なんか言うた？」
「うん。絶対呼ぶって言うた」
信号が赤になり、流星はこちらを向いた。優しく微笑むその顔を見て、つられて俺も頬が緩んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 295人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズWEST」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Hana(プロフ) - ころさん» コメントありがとうございました。前作に引き続き読んでくださっているようで嬉しいです。また次作の更新を楽しみにしていてください。 (2021年8月23日 20時) (
レス) id: a0a6b60e39 (このIDを非表示/違反報告)
Hana(プロフ) - #TODAYさん» コメントありがとうございました。楽しんでいただけたようで何よりです。 (2021年8月23日 20時) (レス) id: a0a6b60e39 (このIDを非表示/違反報告)
ころ(プロフ) - 完結おめでとうございす。心あったまるような愛くるしい作品をありがとうございます。とても大好きな作品です！番外編や次作がありましたら、楽しみにしてます。陰ながら応援させていただきます。 (2021年8月19日 9時) (レス) id: 6fc41468f4 (このIDを非表示/違反報告)
#TODAY(プロフ) - とても好きな作品でした。完結まで書いて下さりありがとうございました。番外編がありましたら、そちらも楽しみにしております…！ (2021年8月18日 23時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Hana | 作成日時：2021年6月11日 22時
