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「神ちゃん!?」
思わず声が上ずる。俺の声を聞いた流星も神ちゃんの顔を覗き込んだ。
「俺…生きててよかったなあって」
神ちゃんの声は掠れて震えていた。
「シゲにも流星にも会えなくなって、学校にも通えなくて、生きてる意味無いなあって思ってたから…」
「…」
「1人になってめっちゃ寂しかったし、体調も良くならんし、死んだ方がマシやと思うこともあったけど」
初めて聞く神ちゃんの弱音。俺が知っている神ちゃんはいつも笑顔で、強い人だった。
「星めっちゃ綺麗や。2人ともありがとう。俺すごい幸せ」
その言葉を聞き終わるが早いか、俺と流星は神ちゃんを正面から抱きしめた。
ごめんな、神ちゃん。ありがとう、神ちゃん。そんな思いを込めて力一杯抱きしめる。
「もう1人じゃないで、神ちゃん」
「そうや。俺とシゲはずっと神ちゃんの親友やで」
そう声をかけると、神ちゃんはこくこくと頷いた。
最後に3人で写真を撮って、神ちゃんを家まで送った。
「今日はほんまにありがとう。流星、仕事頑張って。シゲはサッカー頑張って。俺も頑張る」
そう言った神ちゃんは、病院で見たときよりもずっと精悍な顔つきをしていた。
車が発進するまで手を振り続ける神ちゃんに負けじと手を振り返して、俺たちは神ちゃんの家を後にした。
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Hana(プロフ) - ころさん» コメントありがとうございました。前作に引き続き読んでくださっているようで嬉しいです。また次作の更新を楽しみにしていてください。 (2021年8月23日 20時) (レス) id: a0a6b60e39 (このIDを非表示/違反報告)
Hana(プロフ) - #TODAYさん» コメントありがとうございました。楽しんでいただけたようで何よりです。 (2021年8月23日 20時) (レス) id: a0a6b60e39 (このIDを非表示/違反報告)
ころ(プロフ) - 完結おめでとうございす。心あったまるような愛くるしい作品をありがとうございます。とても大好きな作品です!番外編や次作がありましたら、楽しみにしてます。陰ながら応援させていただきます。 (2021年8月19日 9時) (レス) id: 6fc41468f4 (このIDを非表示/違反報告)
#TODAY(プロフ) - とても好きな作品でした。完結まで書いて下さりありがとうございました。番外編がありましたら、そちらも楽しみにしております…! (2021年8月18日 23時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hana | 作成日時:2021年6月11日 22時