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俺の心配は稀有に終わったのは、照史さんの店に着いた時だった。
集合時間よりも早くに店に来た中間さんは、すでに照史さんと0次会を始めていたからである。
「あれ、中間さん酔ってます?」
「んふふふふ」
ほんのり頬が赤い中間さん。酒豪なのに珍しい。
「今日は貸し切りやからな。盛大に淳太くんを送ったろ!」
照史さんはご機嫌で厨房へ戻っていった。俺と流星は中間さんを挟むようにして座る。
「嬉しいわあ。この歳になって新しい友達が出来るとは思ってなかったからな」
「また帰ってきますか?」
流星が尋ねると、中間さんは大きく頷いた。
「もちろん。夏休みになったらまた帰ってくるで」
そう言って流星の肩に手を回した。めっちゃご機嫌さんや。俺は中間さんにこっそり耳打ちをする。
「中間さん、今日はほんまにすいませんでした」
「気にせんといてや。重岡くん、気ぃ利かしてくれたんやんな。嬉しかったわ」
ありがとうな、と俺の頭を撫でる中間さん。言ってくれた言葉に嘘はないと思うが、やはり釈然としなかった。
そんな俺を見た流星は、空気を変えようと明るい声を出した。
「そう言えば、シゲも良いお知らせあるやんな?」
「えっ、何?」
一気に注目されて、少しだけ顔が熱くなる。
「あ、俺も夏休み明けたら…」
ぎこちなく笑ってみせたその時、今日は開くはずのない扉が開いた。
肩で息をするその人を見て、中間さんの目が見開かれる。
「…たかちゃん」
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Hana(プロフ) - ころさん» コメントありがとうございました。前作に引き続き読んでくださっているようで嬉しいです。また次作の更新を楽しみにしていてください。 (2021年8月23日 20時) (レス) id: a0a6b60e39 (このIDを非表示/違反報告)
Hana(プロフ) - #TODAYさん» コメントありがとうございました。楽しんでいただけたようで何よりです。 (2021年8月23日 20時) (レス) id: a0a6b60e39 (このIDを非表示/違反報告)
ころ(プロフ) - 完結おめでとうございす。心あったまるような愛くるしい作品をありがとうございます。とても大好きな作品です!番外編や次作がありましたら、楽しみにしてます。陰ながら応援させていただきます。 (2021年8月19日 9時) (レス) id: 6fc41468f4 (このIDを非表示/違反報告)
#TODAY(プロフ) - とても好きな作品でした。完結まで書いて下さりありがとうございました。番外編がありましたら、そちらも楽しみにしております…! (2021年8月18日 23時) (レス) id: 3e33249399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Hana | 作成日時:2021年6月11日 22時