第七師団の復讐幼女 (ページ8)

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「そこのお嬢さん軍服が合っていないようだけど大丈夫か？」

こいつ私にも突っかかってくるのかよ。

別に市場に行くたび言われているから慣れている。

だから何も感じない。

「「こいつ、、、！！！」」

前の二階堂は何故かすごい怒り顔をしてぼそっとそう呟く。

私は別にどうもこうも思っていないからそんなに怒らなくてもいいと思うのだが。

たしかに自分は背丈とは合わない軍服を羽織っている。

一等卒時代の頃は別に着なくても許されたが、少尉になった今は袖は通さなくてもいいからせめて羽織っていろとのことだ。

勿論羽織れば袖は余るし、襟のところは口元まで隠されてしまうほどだ。

軍帽に至ってもそうだ。

つばの方を上げなければ目元の視界は完全に封鎖される。

気にしないとされても見下されてもムカつくので少しだけ言い返す。

「私のことを心配するよりも自分の今の状況と立場を理解したほうがいいぞ。」

すると男は少しムッとした顔をし再びどかっと椅子に座り鶴見中尉に向き合った。

「人違いだな。俺は杉元なんて名前じゃない。」

男の発言が全て言い逃れにしか聞こえない。

男のそんな発言を聞いた鶴見中尉は遠い目をして、さも思い出を振り返るかのようにこう言った。

「一度だけ不死身の杉元を旅順で見かけた。少し遠かったが、、、。」

「鬼神のごとき壮烈な戦いぶりに目を奪われた。」

「あのとき見たのはお前だ。蕎麦屋の前でも大立回りを見てピンときた。」

確かにあの異常な戦闘力はそれとしか思えない。

二階堂をその瞬発力と脚力で蹴り倒したときあ、こいつが不死身だと、不覚にもそう感じた。

昔からよく聞かされていたやつがこいつなんだと、少し感動してしまった自分がいた。

でも、こいつの言い訳と行動で確信した。

この顔に傷がある男こそ、“不死身の杉元”