59 ページ10
「起きて、夕飯の時間だよ」
『んぁ………』
優しく肩を揺すられ目を覚ます。
「おはよ、顔赤いねぇ。」
『まだちょっと熱っぽいです』
「そかそか、ご飯は食べれそう？」
『お腹は空きました』
「ん、じゃあ持ってくるね」
「その必要はないぜ！」
「バッカお前静かにせい！」
声とは裏腹にそっと開けられた扉の向こうには何故かドヤ顔でおぼんを持ったコネシマさんと桶を持った鬱先生がいた。
「掘るよ」
何故とも言わないし何をとも言わなかったけどぺ神には逆らっちゃいけないと思いました。まる。
「ﾋｴｯ……すまんて、飯持ってきたから堪忍してや…！」
近づいてきたコネシマさんが持つおぼんにはほかほかと湯気が立ち上る小さめの鍋が乗っていた。
ベッドのサイドについているテーブルを私の前に動かせばそこにそれを乗せる。
『……おかゆ？』
鍋を覗き込めばそこにはたまごとネギ入りのおかゆが入っていた。
「せや！ひとらんがこれ食べさせてって作ってん」
「僕はなんでシッマがドヤ顔してるか分からへん」
「たまごかき混ぜたからな！」
「そうなの……」
ぺ神が半分呆れたように言った。
前に聞いたがコネシマさんは料理が絶望的に絶望なのだという(誤字じゃないよ)。それはシャオちゃんもらしく、「あの2人だけは厨房に立たせたらアカン」とトントンさんを始め、いろんな人に言われた。なんなら厨房の料理長にも言われた。どんだけ。
そんな彼がたまごをかき混ぜた！と胸を張っているのである。
ひとらんさん無事かな、と思案していると鬱先生が私の表情に気付いたようで「なんで僕が一緒に来たかやな」とコネシマさんに聞こえないくらいの声量で言ったので察しました。南無南無。
「味は大丈夫やで」
「んだとコラどういう意味じゃい」
「そんままの意味じゃい。あとついでにトントンから氷もろたで。Aに使こたれて」
そう言うと鬱先生が桶をぺ神に渡す。中身氷だったんですね。
「ありがとー。早速氷枕作るよ」
「Aちゃんはゆっくり食べてな」とぺ神は氷枕を作りに行った。といってもすぐそこでやっているので氷を砕く音が聞こえる。「えっ、いつもより硬ぁ…」とか聞こえたけど気のせいにしておこう。
「ほら食べ！」
『いただきます』
スプーンで掬ってふぅふぅと冷まして一口。
『……おいし』
流石ひとらんさんと言ったとこか、病人にも優しい塩加減。
「やろ！フーン！プロ結果！」
「はよ元気なってや」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 758人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぺんぎん☆ - はぇー神か(語彙力皆無) 応援してます！頑張ってください！ (2020年3月4日 23時) (
レス) id: 0f2863d128 (このIDを非表示/違反報告)
蒼羅(プロフ) - zmさんの勢いが良くて笑ってしまいました…wwこの作品part1の時から好きなので体に気をつけて更新頑張ってください！応援してます！！ (2019年11月27日 17時) (レス) id: 8d56014de4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：めん | 作成日時：2019年10月24日 2時
