ピース 〜人口増加の果てに〜 【ホラー】

１２、開始まで ページ13

それから現在に至るわけだが。

窓の外は夜。

星空が広がり、時計は１０時を指している。

とうとう来てしまった。

時は、迫り来る。気持ちの焦りと同時に。

“ピース計画”。

響きはいいがやろうとしているのは単なるころし合いである。

そして、今日は２３日。

開始の合図は２４日の０時。

ああ、もうすぐクリスマスだ。

年に一度のキリストが誕生した聖夜だ。

なんていっていられる訳ではなくて。

町は、いや国中がクリスマスなんて雰囲気ではなかった。

どこもが締め切り、ただひたすらに“その時”を待っていた。確実に。

翔はおもむろに携帯を取り出す。

《陽、公園に今から来ないか？》

送信すると陽にしては珍しく返信が来た。

《わかった。今からでる》

＊＊＊

翔、陽は公園にそれぞれ集まった。

「そうだ。これから市役所にいかないといけなかったな」

「・・・・そうだな」

静かに歩き出した。

これから自分たちはころすために行動する。

その対象は、力のない赤ん坊からお年寄りまで。

家族や今ここにいる親友だって例外ではないだろう。

ここから市役所はそう遠くない。

はっと立ち止まるとすでに着いたところだった。

「入るか」

翔は引っ張られるようにして中に入った。


？？？「始まるね」

？？？「開始まで残り１時間」

？？？「嫌いな奴から殺せばいいんじゃない？」

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