年中行事 ページ23
朝、目が覚めたら異世界だった…！
訳でもなく、グリムはなぜか全員が集まっている会議室にいた
突然のことに頭は付いていかず、グリムの悪い癖が出始める
「マンちゃんお前がやったのか？布団から出さないでとあれ程…」
眉間にしわを寄せてオスマンに向かって指をさす
こうなることを知っていた二人は苦笑いを零し、
それ以外の人は驚きでグリムの行動に釘付けになる
ご察しの通り彼女の寝起きは悪い
特に近くに布団がないと怒る
「も〜。こうなるからやめとけって言ったのになぁ」
しんぺい神が愚痴をこぼし、命令を下した当の本人、グルッペンは面白いものが見れたと満足そうだ
もちろん、目的はこれを見るためではないが
「ってあれ、総統殿！？申し訳ございません！品のない姿を見せてしまい…」
「いや…んふっ。だいじょう、ぶっ、だ」
グリムは恥ずかしさから顔を真っ赤にさせる
グルッペンは笑いをこらえようとしているが、我慢できずに笑ってしまっている
「まさか寝起きが弱点とは…」
鬱先生がニヤニヤしながら口に出す
もちろんわざとだ。グリムをもっといじりたいがためにやっている
「はいはい。要件伝えな」
兄さんが場をまとめようとフォローに入る
それから数分後、ようやく会議室が静かになった
「今回集まってもらったのは他でもない、夏祭りの計画をする！」
我々国式夏祭り
八月の中旬ごろに行われ、住宅街に屋台が並び、お祭り騒ぎをする
そして一番の見どころは、我々国の城辺りから発射される花火だ
その豪華さに観光客は我々国を訪れるため、国の重要な観光資源と言っても過言ではない
おかげでホテルなどは一瞬で満室になる
治安は人の多さに比例して悪くなっていくが、そこは力の見せ所
警戒態勢を怠らず、例年事件が起きても一時間もあれば解決している
「もうそんな時期か！」
シャオロンが嬉しそうに呟く
グリムも内心楽しみにしていた行事で、寝起き姿が見られた恥ずかしさはその話で軽減された
「うへぇ、俺あんま好きじゃないんやけど」
ロボロがピンク色の瞳を俯かせながら呟く
その日はいいのだが、後処理が死ぬほどめんどくさいためだ
ごみ片付けや紛れ込んだスパイを探し出さなければならない
「ふーん。それなら大丈夫やで！」
コネシマが得意そうに話す
「人員を増やすんやろ？俺の後輩を連れてきたるがな！」
豪快に笑って、コネシマは会議室を出て行った
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