-27話- ページ30
『…はい、死んだ』
二人目の捜査官を殺したところで、Aは顔をあげて静かに溜息をついた。
____その時
「盛大にけちらしたね、リッパー」
『!』
声の方へ振り向き、見開かれるAの双眸。その瞳に映るのはAが最も恐れ、忌み嫌い、そして誰にも言っていないが誰よりも “尊敬” している人物
『有馬……貴将…っ』
「久しぶり。…あの時より大きくなったな、髪も伸びた様だし」
『なぜ、ここに?』
「なぜってそれは…」
有馬は手にもっていたバッグの、鍵をはずし中身をAにむかって構えた。
____おまえを倒すためだ
セリフと同時に、構えたクインケから電撃を放つ。それを間一髪で避けたA
『っと…!出会い頭、挨拶替わりにクインケぶっぱなすのやめてください…!』
「これが一番の礼儀だと思って」
『どういう思考なんですか…まったく……!』
Aが着地した瞬間、隙を逃さず二発目をお見舞いする有馬、その攻撃を避けきれなかったAの額が火傷を負った。
地面に転がり、額を抑えるA。
有馬はクインケを構え____ずに、そのままクインケをしまい、彼に歩み寄った。
「大丈夫?」
『ナルカミの電撃はイタイです…有馬さん』
謝罪を込めてなのか有馬は額を押さえたまま起き上がらないAの手をとって、無理矢理立ち上がらせた。
『ありがとうございます…。ところで、今日はヒトリなんですか?』
「ああ、部下達はおいてきた」
『へえ…。』
Aは軽く頭を下げ、マスクを外した。彼は有馬の面前で、素顔をさらしたのだ。でも、気にしない。
だって有馬とAは____
『…もしよければ、お茶でもどうです?』
「30分だけだよ」
______手を組んだ仲なのだから
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「もしもし?…おッ、その声は私の愛しの卵ちゃんだな?急にどうした〜?」
携帯を片手に、電話をしながら、はつらつと声を高らかにする深緑色の髪の毛の少女。
「なぁに?うん…うん…、そう、会えたんだ。それで…キミはどうするの?これからの立場」
向こうの返答を耳にした少女は、口元を弧に歪めて心底嬉しそうに笑った。
「そうかぁ、いい立ち位置だねAちゃん。
____じゃあ、待ってるよ。アオギリで」
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レイン - 最後まで読んで「続く」見て、独り言で続けって言っちゃった (2019年1月26日 16時) (レス) id: a956189dd3 (このIDを非表示/違反報告)
ダメ天使 - すごく面白くて一気に読んじゃいました!!続き楽しみにしてます。 (2018年2月8日 10時) (携帯から) (レス) id: 89fc855d6c (このIDを非表示/違反報告)
黒氷雨(プロフ) - 林檎。さん» そそそそ、それは奇跡…いや運命に近いですね!w。ありがとうございます!これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします! (2017年7月19日 21時) (レス) id: 5e51351d8b (このIDを非表示/違反報告)
黒氷雨(プロフ) - 稀羅さん» ありがとう!そう言っていただけますと、とても励みになります!頑張ります! (2017年7月19日 21時) (レス) id: 5e51351d8b (このIDを非表示/違反報告)
黒氷雨(プロフ) - 輝夜さん» 最近亀更新ですみませんでした!応援ありがとうございます!これからも更新頑張ります! (2017年7月19日 21時) (レス) id: 5e51351d8b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒氷雨 | 作成日時:2014年7月17日 9時