21.料理 ページ22
トンットンッ、と人参をぎこちなく切る音がキッチンに響く
大して料理が出来るわけでもない私は、時間が掛からないようカレーを煮込んでいる間にサラダを作っている
かなり前から野菜を切りはじめているのだけれど、未だピーマンとキュウリしか切れていない。普通の人に比べれば時間がかかっている方だろう
まぁ料理は愛だよね、と自分に言い聞かせる
練習が終わり、料理が出来るまであと30分。出来るのだろうか
人参よ柔らかくなれ！と念じながら切ること数分。複数の足音と話し声が聞こえ始める
練習が終わったことを察し、より人参が柔らかくなるようにと念じを強めて切っていると
「…晩御飯って、なに？」
ぬっと肩のところから出てきた研磨は、材料を見るように顔をつき出す
カレーか…とカレー粉の箱を見て呟く研磨には、私から言う必要も無さそうだ
「もう練習終わったの？」
「うん、今から部屋で休憩。」
「へぇー、そっか。お疲れ様。」
練習から帰り、部屋でずっとお腹を空かしている選手達のことを考えると尚更早く作らないとと気合いが入る
指切らないようにね、と気合いが入った姿と少し早まった私の手を一瞥して言う研磨はもう帰ろうとしていた
帰る途中に、あっと口を開き戻ってくる研磨。え、なに
「…出来たら、アップルパイ」
「無理です。」
しゅん…と部屋に帰る研磨を見て、少し作ってやりたい気持ちも芽生えるがアップルパイとか作り方知らないししょうがない
…でもまぁ、また時間あるときにでも挑戦してみようかな
「お、今日はカレーか。」
フェイスタオルで汗を拭きながら、先程の研磨と同じように肩から…いや、身長差のおかげでほぼ頭くらいから出てくる黒尾さん
汗の匂いと黒尾さんの匂いが混じってる匂いは嫌いじゃない。寧ろ、好きだということで私はその場から離れず人参を切る
「…」
「…」
「っ…！」
私の人参を遅く、ぎこちなく切る音だけが部屋に響き、黒尾さんは私の手元を見るだけ。恥ずかしくて、堪らず下を向く
すると、黒尾さんの笑いを堪える声が耳元で聞こえた
「ふっ、くっ…！おいっ、A…！」
「…なんですか？」
「ははっ、お前料理苦手だろぉ？」
「っ！」
図星。というか違うかもしれないけど、その可能性があるけど認めたくないことを指されてビクッとする
無言は肯定、となってしまうので、負けじと反論する
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あめ - あ…好きだ(確信)面白いですね！更新待ってまーす！ (2017年4月7日 0時) (
レス) id: 98613a75af (このIDを非表示/違反報告)
放浪猫(プロフ) - KANA(♀)さん»そうですか、すみません…。じゃあ気長に待ってますね（｀-ω-´） (2014年11月17日 18時) (レス) id: 58e497fb11 (このIDを非表示/違反報告)
KANA(♀)(プロフ) - 放浪猫さん» すみません、こちらの作品は黒バスの小説の息抜きとなっていますので更新不安定となっております´`;;楽しみにしてくださっているのに申し訳ありません…;; (2014年11月16日 22時) (レス) id: e048d7fd74 (このIDを非表示/違反報告)
放浪猫(プロフ) - ｺﾞﾒﾝｸﾀﾞｻｲ続きまだ…ですか？壁｜ω・`）ﾁﾗｯ (2014年11月16日 21時) (レス) id: 11dfedb8fc (このIDを非表示/違反報告)
放浪猫(プロフ) - 頑張って下さい。期待してまーすｖ（＾ω＾）v (2014年11月7日 23時) (レス) id: 58e497fb11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：KANA(♀) | 作成日時：2014年8月20日 20時
