月と銃声２【SERVAMP】 (ページ4)

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ヴィエノワページ4

「ジェジェさんって、好きな食べ物とかあるんですかぁ？」
「………パンプキンスープ」

　そういえば知らなかったなぁ、と適当に質問してみると、意外にすぐ答えが返ってきた。よほど好きなのだろうか。確かに、ジェジェはわりと好き嫌いがわかりやすいような気もする。

「パンプキンスープですかぁ。簡単ですし、今度作りましょうか」
「………いや…それは」
「私だってちゃんとやればそれなりに作れるんですよぉ？」
「……………善処する」
「何ですかそれ」

すると今度は、顎で話の続きを促してきた。これは……私の好みも聞いてくれているのだろうか。
といっても、

「うーん……お菓子なら全部好きですしねぇ…あっ」
「……」

「強いて言うならレープクーヘンですかね」
「……レープクーヘン…？」
「…ええ。子どもの頃、母がよく作ってくれたもので。ジンジャーブレッドとも言いますけど」

そこで彼がああ、といった顔で(紙袋で見えないが雰囲気で)頷いた。どきっとしたが、どうやら鞄に付けているジンジャーマンストラップのことらしい。

こうしてゆったり話していると、落ち着いた楽しさがある。それは相手が彼だから、というのもあるだろう。ジェジェは聞き上手だ。余計な口を挟まないし、適度に相槌をくれる。
彼と話している時間には、御国といるときとはまた違った心地良さがあった。