月と銃声２【SERVAMP】 (ページ19)

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ジェリービーンズページ19

視界が霞んでゆく。その正体が涙だと知る頃には頬が濡れていた。
その涙は懺悔か、悲しみか、憎しみか。
しゃがみこんだ私の膝にポタポタと小さな水たまりをつくっていく。この雨はいつになったら止むのだろうか。

時が流れる中でわたしは大人になった。
今もあの森で、兄は子供のまま眠っているのだろうか。せめて花を添えて、安らかに眠れるようにと神に祈りたかった。

もしも、もう一度だけ、兄に会えるのなら。
紅茶と共に沢山のお菓子を2人でお腹いっぱいになるまで食べたい。
笑いながら近況報告をしたり、昔話をしたり、話を弾ませながらゆったりとした時を過ごしたい。

大きな兄の背中を追うのではなくて、正面に立って。「強くなったよ。大人になったよ」って胸を張って言いたい。

私には性格の悪い人形好きな男と、蛇になれる男。実験が好きな変人やお金が大好きな奴。怒りの沸点が低い小学生みたいな奴と優しい苦労人だけどちょっと抜けてる人。
沢山の人達に囲まれて、毎日楽しくて幸せだよと伝えたい。

その頃には、兄の隣には女の人が立っているのかな。

叶わない願いを望み続ける。涙は頬を流れていった。