〜人間とは2〜 ページ33
「なるほど、こうして増やすのか。けど僕にはあれはできない…」
ふと周りを見渡すと、モノを売る多くの人物に目が行く。しかしどれも簡単に手に入るものが多く、そんなものでも人々は買い求める。
「人間は弱いから、危ないものほど出回らないのか。なら、それを売ればいい」
こうしてAは魔物の住む森や泉、洞窟を進み、多くの素材を手に入れて市場に戻ってくる。価格を決める基準が分からず、似たようなものを売っている店と同じ価格で販売する。
「…おい、姉ちゃん」
「なんだ？」
「こ、これは…こんな安くていいのか？」
「あぁ。何せ相場がわからないんだ」
「…ちょっと来な」
突然現れた男は、少し離れた店まで行くと、あるものを見せる。それは、Aの持っている素材をはるかに高い値段で売っている商人だった。
「ふつう、こんなもんはするさ。姉ちゃん、悪いことは言わねぇ、値段も時には信用にかかわる。商売を知らねぇなら教えてやるぞ」
「あぁ、なら頼む」
こうして男はAに商売のイロハを教え、その見返りに売り上げの１割を渡す約束をする。男とともに売り始めてからは飛ぶように売れ、すぐに服の価格を超える。
「すごいな、お前」
「まぁ、こんぐらいは常識よ。んじゃ、俺はこれで」
「あぁ、助かった」
こうして知識を得たAは各地を回り、ものを得ては売り、そのルピでいろいろなものを得ていく。そしてついには豪商人と呼ばれるほどにまで成長する。
「A殿、よろしければ我が屋敷のパーティーに来ては？」
「い、いや…僕は作法を知らないんだ」
「なに、その辺りは心配しなくても大丈夫ですぞ。優秀な指導者をつけましょう」
「しかし…」
「商人にとって情報は有益、損にはなりません」
「わかった。お願いする」
こうしてパーティーに行くということで服を買い、そして身なりを整える。案内された屋敷にいたのは、優しい顔をした女性だった。
「あら、ずいぶんとかわいらしい方ですのね、お父様」
「こらこらルシェア、さぁきちんとマナーを教えるのだぞ」
「わかりましたわ。よろしくね、Aさん」
「よ、よろしく…」
「あら、いけませんわ。ここでは女性は常に男性よりも優遇されるの。けど、その度合いはすべて振る舞いにかかっているの。その一つがダンスよ」
「ダンス…？あの奇妙な動きのことか」
「奇妙…？ふふ、面白いこと言うのね。さぁ、私が見本を見せて差し上げますわ」
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ミレン(プロフ) - こちらにコメントください！ぜひぜひお気軽に！！割と大真面目にお願いします（（ (2019年3月29日 16時) (
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月20日 23時
