〜珈琲とケーキと天司と６〜 ページ20
グランの質問に考え込むA。
「う〜ん、それを言われるとみんなそうなっちゃうしなぁ。そもそも、サンダルフォンの親がルシフェル様になっちゃうし、僕はほかの天司と兄弟にもなるし…しかもルシフェル様と僕も兄弟になっちゃうし…」
「お、おい…そんな難しく考えなくても、お前らはずっと一緒に過ごしてきたんだろ？なら、幼馴染でもいいんじゃねぇか？これからは天司とか関係ないんだしよ」
「まぁ、そうだな。なら幼馴染で合ってると思う」
店の中に入り、メニューを見る。なかなか見慣れない食材も多く、そして人気店なのか多くの人でにぎわっていた。
「う〜ん…僕はさっき先に少し食べたからパテ・ド・カンパーニュに…あ〜でも、ドラッヘントラウトのキッシュもおいしそう…」
「両方食べたらだめなのか？」
メニューを眺めて悩み続けるAに、しびれを切らしたビィがいうが、Aは首を振る。
「いや…さっきゼリーと珈琲をね。それに、最近ケーキの試作で甘いのを食べすぎなんだ。少しは控えないとな」
「天司ってのは太るのか？」
「さぁ…聞いたことはないけど、用心するに越したこともないさ」
と言いつつ、メニューを眺め続けるAに苦笑いする。
「A、俺のキッシュを分けてやるからメニューを離せ」
「え、いいのか？」
「団長達はそれぞれコースにするようだ。俺もそれを頂くから構わないよ」
「んじゃ、お言葉に甘えて」
サンダルフォンの計らいでようやくAはメニューを離す。こうしてしばらく談笑したのち、前妻のメニューであるキッシュとパテが運ばれてくる。
「「いただきます！」」
真っ先にルリアとビィが食べ始め、後に続くようにそれぞれが口に運ぶ。
「…」
「あれ？Aさん、食べないんですか？」
「あぁ、いや…盛り付けも綺麗だなぁって。喫茶店とはいえ、見た目も大事だと思って」
「本当に真面目だよな…」
「でも、Aも早く食べないとせっかくのお料理だし」
「そうだな」
グランの声でAも口に運ぶ。口の中で広がる、肉のうまみにAは驚く。
「へぇ…これは普通の獅子肉じゃなさそうだ」
「これはドラッヘンボアっていう、近くに住んでる魔物だよ。ジークフリートが野営してるところに出るんだって」
「へぇ…って、魔物か。どおりで力強い。でも、独特な臭みもなくて…この味付けは、ここの風土じゃないな…これは、ウェールズか？」
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ミレン(プロフ) - こちらにコメントください！ぜひぜひお気軽に！！割と大真面目にお願いします（（ (2019年3月29日 16時) (
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月20日 23時
