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Episode140 ページ41

とうとうAは泣き崩れてしまう。

(Aのが一緒にいた時間は俺より長い…無理もないか…)

無理に連れていくことも出来ず、立ち往生してしまう。

(クソ…俺まで決意が鈍ってしまう…ッ)

なんとかして連れて行こうと考えていると、ルシフェルに手で制される。

「A…」
「…ッ!」
「また会えたら私に珈琲を教えてくれないか。空の世界で進化した珈琲をね」
「…はい…」
「約束しよう。必ず、また三人で珈琲を飲もう。だからそれまで、私は私のいる場所で、君は君の世界で生きるんだ。ミカエル達や、特異点…団長達もいる。それに、君にはもう一人友人がいるだろう?」
「…」

サンダルフォンは、顔を向けられると手を差し伸べる。

「さぁ、行くんだ。君の在るべき世界へ」
「…ッ」
「いってきます…」
「いってらっしゃい」
「…!」

そのままサンダルフォンはAの腕を引くが、一度立ち止まる。

「…A、最後は笑って行こう。あの人が寂しくないように」
「…うん」

そしてAは涙を拭うと、呼吸を整える。そして二人同時に振り返ると笑顔を浮かべるのであった。

「「いってきます!」」
「いってらっしゃい」
「――…ッ」
「――…!」
「…」

ここを最後だと決めて、二人はそれ以上振り返らず羽を顕現させて羽ばたく。その姿を見送ったルシフェルは初めて寂しげな表情を浮かべるのであった。

「いってらっしゃい…かつて君達が毎日のように言った言葉だ。あの中庭で君達が何を考えていたのか…今の私にはわかる気がするよ。また会おう。A、サンダルフォン――」

消えた二人を見つめ、小さく再開を誓う。その頬には涙が伝っていた。

(ふふ…私も、Aの事を言えた立場ではないな…)

一方、サンダルフォンは目を覚ますと、一面青空の強風の中にいるのだった。

「む…?ここは…空だと…?」
「あ、おい!サンダルフォンが気が付いたぜ!」
「…ここは…団長達!?」
「サンダルフォンさん、Aさん!もっと腕の力を込めて込めて!」
「…!?」

ふたりは状況を確認しようと周りを見ると、走艇に乗った団長達がふたりの腕を掴んでいるという状況だった。次元の狭間が消えた後、なぜかサンダルフォンとAの姿は空に漂い残っていた。グラン達は苦肉の策で走艇でふたりの元へ向かうと、かつて自分を突き落とした手と、かつて自分を助けようと必死につかんだ手を、今は必至で握りしめるのであった。

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ミレン(プロフ) - かなとさん» すみません、確認不足でした。ご指摘ありがとうございます! (2019年3月13日 21時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月13日 20時) (レス) id: 9e9dee48da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月13日 19時

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