Episode116 ページ17
「待て…！その満身創痍でまだ逃亡を図るか」
「いい加減諦めろよ！赤い空なんてオイラ達が止めてやるぜ！」
「そ、そのとおりです！私達が絶対に蒼い空を取り戻すんです！」
「“蒼い空”ねえ…なぜキミ達はソレにこだわる？この世界の有様に疑問を持たないのか？理・因果・物理法則…全て神々の都合の結果に過ぎないのに」
静かに、しかし不敵な笑みを浮かべて、ベリアルは両手を仰ぐ。
「空の色が、蒼でなければならない理由なんてない」
「…ッ！？」
「ク…ッ！」
サンダルフォン、Aが同時に駆け出す。しかし、ミカエルによってAは止められてしまう。
「離せミカエル！！」
「では良い“終末”を」
「巫山戯るな！貴様に自死など――！」
サンダルフォンの手が届く直前、ベリアルは空の底へと身を投げる。
「本当にサヨウナラ――」
ベリアルの落ちていった空の底を、一行は只、呆然と見る事しかできなかった。やがて、誰がそうとでもなく、動き始める。
「…A、もう身体は大丈夫？」
「…特異点」
尚も空の底を睨み付けるAを見かねてグランが話しかける。
「…あぁ、大丈夫…だ」
「とてもじゃねぇけど、そうは見えねぇぞ？」
ビィに指摘され、Aは唇をキツく結ぶ。
「ごめん…しばらく一人にしてほしい…整理がつかないんだ…」
「…もし、何かあれば教えてくださいね」
Aは岩に凭れ、座り込む。一つの戦いが終わった疲労と、ベリアルの残した言葉、そして最後の死に際の笑顔が頭から離れずにいた。
「…ルシフェル様は…なぜ空の世界を…」
疑問が沸き上がる。ベリアルの言葉は、Aの心をかき乱し続けていた。
「…A」
ふさぎこむAの前へ、ようやく合流した四大天司のガブリエルが現れる。
「ミカちゃん達から事情はある程度聞いたわ。そして、貴方の考えていることもわかってるつもり…」
「…」
「天司長様が前に行ってたわ。獣は使役されるから働く、それもまたその生まれた意味である。けど、願い、そうしたいと思うから仕えるのもまた、その獣の生まれた意味でもあるって。きっと、天司長様は、貴方とサンダルフォンと一緒に珈琲を飲むために…蒼い空を見るために、御自身の意思でここまでやってきた。他の誰でもない、貴方達の為だったと思うわ」
「…僕達の…ため…」
「そう、貴方達のため」
ガブリエルの言葉がAの心を溶かしていく。
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ミレン(プロフ) - かなとさん» すみません、確認不足でした。ご指摘ありがとうございます! (2019年3月13日 21時) (
レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年3月13日 20時) (レス) id: 9e9dee48da (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：御煉 | 作成日時：2019年3月13日 19時
