Episode48 ページ11
『…そろそろいくわ。蒼の少女の体にも負担がかかる』
「…ああ」
『またね、A』
「…」
唇をきつく結んだA。その背中をサンダルフォンがおす。
「言いたいことを伝えられる機会は少ないぞ」
「…サンダルフォン」
改めてミザリアと向き合うA。
「ミザ…」
『ん…？』
「待っててほしい。必ず、この世界の進化の末を…僕の見たものをすべて話すから」
『待ってるわ』
「…さようなら」
『…さようなら』
その言葉を最後にミザリアは消えていく。Aは光の粒子となったミザリアに駆け寄り、崩れ落ちる。
「…」
「…あの、Aさん」
ルリアに声をかけられ視線を向ける。その手にはミザリアとアドバンの羽があった。
「…私が余計なことをしたせいで怪我をさせてすみません」
「いや…ルリアのおかげで二度と会えないと思ってた友人に会えたよ。サンダルフォンだけじゃなく、ミザにもアドバンにも会わせてくれた…けど、もう二度と危ない真似をしないでほしい」
「は、はい…」
「貴様がそれを言うかA」
あきれ顔のミカエルがAを見る。Aの姿はボロボロで、無理をしたのは一目瞭然だった。
「無理が取り柄なんで…」
「はぁ…」
「みんな…ありがとう。団長達も、また天司の都合に巻き込んで悪かった」
「ううん、大丈夫だよ！だって、仲間だから」
「……ハハ…おひと…よし…」
「A！？」
フラフラと倒れていくAをサンダルフォンが支える。心配して駆け寄る仲間に、サンダルフォンは苦笑いをする。
「眠ったようだ。まったく、二千年も眠らないやつがいるからとか言ってたのは誰なんだか」
「フフ…安心したように眠ってます！」
「緊張感のない奴だな…」
グランサイファーに戻り、Aを寝かせる。その枕元にはアドバンとミザリアの羽を飾る。
「…俺の知らない過去で、俺は未だ天司長として守れていなかった。何もしらなかった。それを教えてくれた二人には感謝してる」
最大限の敬意をこめて冥福を祈る。サンダルフォンが部屋から出て行ったあと、Aはゆっくりと目を開ける。
「…アドバン、ミザが間に入ってもおそらく間に合わないと思ったけど…どうして躊躇ったんだよ。僕は本気だったのに…結局、僕はいつだって守られてるんだな。仲間の大切さに気付かせてくれてありがとう…今度は、サンダルフォンやミカエルも一緒に話そう…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：御煉 | 作成日時：2019年4月7日 14時
