〜四騎士と天司6〜 ページ6
「お前…記憶を見れるのか?」
「いいや。ただ、君の母親が死んだのは聞いた。氷皇アグロヴァル…かつてあの人間が幽世を世に放とうとしたとき、僕は幽世の管理者として声が聴けた。だから知っていた。けど、今のは間違いなく僕の…“問い”だよ」
「問い…?」
ランスロットとヴェインはジークフリートとともに木の実をかじっている。その顔には笑顔があふれており、幸せな光景が広がる。
「なぜ…どうして…その問いの根源は、そうであってほしい、という“願い”なんだ。空が蒼であるのはなぜか、その原理を説明しても人は問うことをやめなかった。それは、空が蒼であってほしいという願いの裏返しだから。そうやってルシフェル様は言ってた。だから僕は問い続けるよ。この世界の平和と、空が蒼であり続けることを」
「そうか…なかなか面白い考え方をする。だが…いい考えだ」
「はは…誰かを亡くす苦しみは、何年たっても変わらない。けど、その者が願ったことを叶えることは生者しかできない。僕は幸いしばらく死ぬ予定はないからパーシヴァルの国も見れそうだし」
「貴様も家臣になれば早いのだがな」
「やめておけ。国をたやすく滅ぼす力なんか争いの種にしかなんないさ」
「ふっ…それもそうか」
Aは手を空にあげ、伸びをする。
「さて、そろそろ帰るか!いつまで食ってんだよ…」
「あ、これ持っていけるか?ルリアとビィにも食べさせたくてさ!」
「握っておけば持っていけるさ。さぁ、船に戻るか」
Aは再度羽を顕現させると、4人とともに再び船に戻る。船に戻るなりルリアとビィ、サンダルフォンによる言い争いが繰り広げられており、戻ってきたAにとばっちりがくるのであった。
「なぜ他人の店を!」
「いい経験になるじゃないですか!」
「俺は俺のやりたいようにする!」
「そういって、店を出すとつぶれるかもしんねぇぞ?」
「ふん、そんなことは…」
「はいはい、双方しずまれーい」
「A…?」
「Aさん!」
間に割って入ったAはルリアに笑顔でピースサインをする。
「サンダルフォン、手伝うぞ店」
「…は?」
「いつか店を出すのに僕らはまだ見知った顔相手にしか営業していない。不特定多数の意見は参考になるし、勝手の違うことも経験になる。それに、あの店はいい店だ。てことで、行く」
「行きたければ君だけで行けばいい」
「副官一人で行かせる気か?薄情な上司め」
「く…」
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ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお!ありがとうございます!家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます!もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…!二人と仲良しな主人公が見たいです!ぜひ!!ご検討ください!! (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月29日 23時