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Episode21 ページ34

「それで、どうするつもりなんだ?」
「Aはサンダルフォンを連れてそのまま国王陛下の元へ向かってほしい。俺達は武器を取りに行くのと、陽動を引き受ける」
「…危険だぞ」
「フン…兄上を人質に取られて不覚をとったが、俺はあんな連中には負けん。駄犬もどこかにいる。頼んだ」
「…わかった。気をつけろよ…それと」

二人の腕をつかむと、丸印を書く。

「お守りだ。極力誰かに見せるな。仲間であっても、な。見せたら効果が消滅する」
「わ、わかった…」

うなずく二人と別れ、Aは走る。サンダルフォンの気配を探っていると、すぐに見つかる。

「…サンダルフォン、よかった。うまくった―――いや、お前は違う」

腕には丸印がない。剣を抜き、切り捨てると黒く淀んで消えてゆく物体に、Aはすぐにあたりをうかがう。

「サンダルフォン、どこだ!」
「う…っ」
「サンダルフォン!」

声のした方へと向かう。すぐ近くでうずくまるサンダルフォンに、駆け寄る。

「おい、何があったんだよ」
「にげ…ろ…」
「はぁ…?」

サンダルフォンの言葉で顔を上げると、幽世の魔物がこちらを見る。その不気味さにおもわず身震いをする。

「…何か様子が変だ」

小手調べ代わりに斬撃を放つが、何事もなかったように立つ魔物に、Aは眉を顰める。

「…いよいよ、本腰を入れてきたわけだ。幽世の連中のくせに、高濃度のケイオスマターで作り上げた兵器とは…」

わずかに汗が背中を伝う。サンダルフォンを一瞥し、逃げろ、とうめく姿にAは魔物を睨み付ける。

「…後悔しろ。全空一の剣の使役者A、行くぞッ!」

瞬間的に爆発的な力で襲い掛かるA。はじめこそ凌いでいた魔物も、次第にAの斬撃を食らい始める。しかし、決定的な手ごたえはなく、体力が徐々に消耗されていく。

「クソ…キリがねぇ」
「ソイツは無限のコアだ…アバターと同じ…」
「んなの、見りゃわかる。ルシファーの被造物をバカにする割には再利用とか…どんなけ貧乏なんだ」

悪態をつく間にも、魔物は徐々にAへと迫ってくる。

「チッ、試しにやってみるか…」

Aは剣を戻し、右手には白い光、左手には黒い光を集める。魔物がAにとびかかってくると同時に、Aは構える。

「セラフィック・アロー!」

Aの腕から放たれた光は、魔物へと突き刺さる。それはまさに、弓のごとく降り注ぐのだった。

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ミレン(プロフ) - よせふさん» おおお!ありがとうございます!家に帰ったらすぐ取りかからせて頂きます!もし気に入っていただければまたリクエストください! (2019年4月2日 11時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)
よせふ(プロフ) - はじめまして、もしよろしければルシフェル様とサンダルフォン、主人公の3人が中庭でほのぼのしているお話が見たいです…!二人と仲良しな主人公が見たいです!ぜひ!!ご検討ください!! (2019年4月2日 1時) (レス) id: f12f54b1ee (このIDを非表示/違反報告)
ミレン(プロフ) - 大真面目にコメントください (2019年4月2日 0時) (レス) id: 62a512f1a1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:御煉 | 作成日時:2019年3月29日 23時

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