空へ旅立つ花④ (ページ1)

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ﾗﾝｽﾛｯﾄ「今日の練習見てたぞ。すごいな」

『星晶獣の力を借りてるだけですから…でも自分が魔法使いになるなんて夢にも思わなかった…』

ﾗﾝｽﾛｯﾄ「この旅でどんどん新しいことが分かっていくな」

『はい…こういう新しいことも、楽しんでいきたいな…』

流れる夜空を見上げると、ランスロットさんが隣に座って私が先程見ていたタンポポの花に指を伸ばした。

ﾗﾝｽﾛｯﾄ「たんぽぽの花言葉は、なんだったかな」

『えーと、確か"真実の愛"とか"愛の神託"でしたかね』

ﾗﾝｽﾛｯﾄ「そんなロマンチックな奴だったのか。ハハ、ヴェインと綿毛を飛ばし回ってた思い出には似つかわしくないな」

そう言って笑ったランスロットさんは優しくタンポポを撫でていた。

その横顔を見ながら、騎士団宿舎でランスロットさんと話した時のことを思い出す。まだそんなに日にちは経っていないはずなのに、それがとても昔のことのように思えた。

『ふふ…』

ﾗﾝｽﾛｯﾄ「ん？どうしたんだ急に」

『いや、なんだかランスロットさんとお花って本当に似合うなって』

ﾗﾝｽﾛｯﾄ「男に花が似合うって…喜んでいいものなのか？」

『はい。素敵な人には素敵な花が似合うものですよ』

私の言葉に「そういうものか？」と少し照れ臭そうに頰をかいたランスロットさんに笑いかけて、また空を見上げた。

『こうして誰かとゆっくり花の話をするのも久しぶりだなぁ』

ﾗﾝｽﾛｯﾄ「ああ。でもやっぱりAは花の中にいるのが一番似合ってるよ」

『本当ですか？なんだかそう言ってもらえると嬉しいなぁ』

お互いに照れ笑いを浮かべながら立ち上がって、部屋に戻ろうかと歩き出す。

ほんの少しの穏やかな時間のおかげで、やっと体が素直に休んでくれそうだと思ったのだった。